「ファルージャの空の下」イラク支援の現場から日本を見る/高遠菜穂子×八景

高遠菜穂子(たかとお・なほこ)

イラク支援ボランティア。1970年、北海道生まれ。大学卒業後、会社員を経て地元で飲食店経営に携わる。2000年にインドの「マザーテレサの家」、2001年からタイ、カンボジアのエイズホスピスでボランティア活動に専念。2003年5月からイラクでの活動開始。2004年4月にイラク・ファルージャで「自衛隊の撤退」を要求する現地武装勢力に拘束された。解放後、日本国内で「自己責任」バッシングを受ける。現在もイラク人道・医療支援活動を継続中。「イラク戦争の検証を求めるネットワーク」呼びかけ人。著書に『戦争と平和 それでもイラク人を嫌いになれない』(講談社)『破壊と希望のイラク』(金曜日)など、共編訳に『ハロー、僕は生きてるよ。ーイラク最激戦地からログインー』(大月書店)。

 

八景(はっけい)

横浜出身。遊芸者。「山椒太夫」「信徳丸」「小栗判官」といった説経をはじめとする伝統的な口承芸能に魅せられ、芸能の生まれいずる境界の世界、社会の底辺に生きる流民難民漂泊民遊芸の民の足跡を訪ね歩く。その旅は、歌と語りの声を追い、朝鮮半島から中国東北地方、サハリン、中央アジア、コーカサスへ、はたまた南へ下って、沖縄、八重山、台湾とのびてゆく。名もなき民の文字には記しようのない「声」に耳を澄ませ、みずからも歌って語って書いて旅をする日々。