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■■■■■ -ヘイトスピーチとレイシズムを乗り越える国際ネットワーク-
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■■     のりこえねっと通信0192号 2018年9月26日発行
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■ ◆転送歓迎◆
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賛同者の皆さま のりこえねっと通信をお読みの皆さま。

 9月26日(水)午前10時30分より東京地裁703号法廷にて、のりこえねっと共同代表辛淑玉がDHCテレビ・ニュース女子元司会者長谷川幸洋氏を名誉棄損・損害賠償を求めて提訴した第1回の口頭弁論が行われます。どなたでも傍聴できます。
ぜひ、たくさんの方の傍聴をお願いいたします。

 さて、26日(水)のNO HATE TV 第47回は、9月30日投開票の沖縄県知事選挙をめぐるデマの構造 を安田浩一さんが詳細報告。ほかに休刊が決まった『新潮45』問題、日本第一党、DHC・長谷川幸洋裁判第1回口頭弁論の報告も。ぜひご覧ください!

<今号の目次>
1.DHC・長谷川洋幸氏裁判第1回口頭弁論のお知らせ
2.石井孝明氏裁判第4回口頭弁論のお知らせ
3.9月26日のりこえねっとTV 「NO HATE TV」のお知らせ
4.反レイシズム情報
5.ヘイト街宣・デモ警報
6.新聞・雑誌記事・Webより
7.9月12日放送のりこえねっとTVダイジェスト
8.編集後記

1.DHCとニュース女子元司会者長谷川幸洋氏裁判、第1回口頭弁論のお知らせ

 第1回口頭弁論が、9月26日午前10時30分から、東京地方裁判所703号法廷にて開かれます。どなたでも傍聴できます。
地図 http://www.courts.go.jp/tokyo/about/syozai/tokyotisai/index.html

2.石井孝明氏名誉棄損裁判、第4回口頭弁論のお知らせ

 のりこえねっと共同代表の辛淑玉が、石井孝明氏に対しツイッター上での差別発言による損害賠償を求めて訴えている裁判の第4回口頭弁論は、10月2日(火)午後1時10分より東京地裁411号法廷にて開かれます。今度こそ結審か!
どなたでも傍聴可能です。どうぞ傍聴にご参加ください。
地図 http://www.courts.go.jp/tokyo/about/syozai/tokyotisai/index.html

3.9月26日(水)20時よりのりこえねっとTV

NO HATE TV 第47回「沖縄県知事選挙をめぐるデマの構造」

https://youtu.be/t5DQ4TCm198

 沖縄県知事選挙をめぐって流布されているデマが、これまで沖縄に向けられたヘイトデマとどんな関係にあるか。それを支える構造は何か。安田浩一が詳説します。
ほかに『新潮45』問題、日本第一党、DHC・長谷川幸洋裁判報告も。

【NO HATE TV】
公式サイト:http://no-hate.tv/about
Twitter:https://twitter.com/nohatetv
Facebook:https://www.facebook.com/nohatetv
【のりこえねっと】
公式サイト: http://www.norikoenet.jp
Twitter:https://twitter.com/norikoenet
Facebook:https://www.facebook.com/norikoenet

<出演者>
◆安田浩一(やすだ・こういち)
ジャーナリスト。1964年生まれ。静岡県出身。
「週刊宝石」(光文社)、「サンデー毎日」(毎日新聞社)記者を経て2001年よりフリーに。労働問題、差別、人権問題などを中心に取材・執筆活動を続けている。
『ネットと愛国/在特会の「闇」を追いかけて』(講談社)で日本ジャーナリスト会議賞、第34回講談社ノンフィクション大賞受賞。
『ルポ 外国人『隷属』労働者』(G2vol.17)では第46回大宅壮一ノンフィクション賞雑誌部門受賞。
その他、
『「右翼」の戦後史』(講談社現代新書)
『外国人研修生殺人事件』(七つ森書館)
『ルポ 差別と貧困の外国人労働者』(光文社)
『ヘイトスピーチ 「愛国者」たちの憎悪と暴力』(文藝春秋)
『ネット私刑(リンチ)』 (扶桑社)
『沖縄の新聞は本当に「偏向」しているのか』(朝日新聞出版)
など著書多数。
Twitter:https://twitter.com/yasudakoichi
安田浩一「ノンフィクションの筆圧」:http://www.targma.jp/yasuda

◆野間易通(のま・やすみち)
C.R.A.C.。1966年、兵庫県芦屋市生まれ。
大阪外国語大学(現・大阪大学外国語学部)卒業後、音楽雑誌編集部を経てフリーの編集者となる。
2013年1月、「レイシストをしばき隊」(現・C.R.A.C.)を結成。
新大久保などで行われていた排外デモへのカウンター行動の一翼を担う。
著書
『実録・レイシストしばき隊』(河出書房新社)
『金曜官邸前抗議』(河出書房新社)
『「在日特権」の虚構』(河出書房新社)
『「在日特権」の虚構 増補版/ネット空間が生み出したヘイト・スピーチ』(河出書房新社)
『3.11後の叛乱 反原連・しばき隊・SEALDs』 (笠井 潔との共著・集英社新書)など
Twitter:https://twitter.com/nomacrac
C.R.A.C.tumblr.:http://cracjpn.tumblr.com/
C.R.A.C.Twitter:https://twitter.com/cracjp

4.反レイシズム情報

★集会・デモ・セミナー・上映会などのお知らせを掲載します。
HPのトップページにある『お問い合わせ』から 日時、会場、タイトル及び内容、主催者、主催者の連絡先などを300文字以内でお知らせ下さい。
https://norikoenet.jp/about_us/contact_us/

1)ディストピア日本と希望のまちソウル〜市民運動がつくる「もうひとつの公共サービス」

 宇都宮健児さんは昨年韓国を訪問され、ソウル市で進んでいる「市民民主主義革命」をつぶさに視察されてきました。今回はそのソウル市の状況と日本の現状を語っていただき、また、いま日本の公共サービスの現場で活動されている方々との、パネルディスカッションも予定しています。

日時:9月27日(木)18:30~20:30(18:00開場)
場所:文京区民センター2A (地下鉄「春日駅」、「後楽園駅」など)
講演:宇都宮健児さん (希望のまち東京をつくる会)
パネル討論:大利英昭さん(都庁職病院支部書記長)/都立病院の民営化に反対する-内海まさかずさん(栃木市議)/栃木から見た地域の貧困と福祉―郵政産業労働者ユニオン/民営化された公共サービスの非正規労働者/宇都宮健児さん(希望のまち東京をつくる会)
資料代:500円
主催:attac公共サービス研究会 http://attaction.seesaa.net/

2)LOVE & EQUALITY~すべての命に平等を~TOKYO LOVE PARADE(東京ラブパレード)

 すべての命が平等に存在する社会でありたい。
 LGBTQの枠を超え、それぞれの想いを「LOVE=愛」という言葉に託して、私たちは新宿の街を行進します。

日時:10月8日(月・祝)15:00集合(15:30出発)
集合場所: 新宿中央公園「水の広場」(新宿区)
対象:LGBT当事者だけでなくアライ、そして、女性団体、障害者団体などを含め、広く趣旨に賛同する方々。
内容:先導車(サウンドカー等)を4台程度準備(LGBT団体、障害者団体、女性団体など)。
呼びかけ団体:特定非営利活動法人 東京レインボープライド(https://tokyorainbowpride.org/)

3)朝鮮学園の子どもたちに学ぶ権利を

日時:10月12日(金)18:00~20:30
場所:連合会館(大会議室)東京都千代田区神田駿河台3丁目2-11
地図→https://rengokaikan.jp/access/
講演:鄭栄垣(チョン・ヨンファン)さん(明治学院大学准教授)
・大阪高校無償化裁判控訴審裁判報告
・ジュネーブでの人種差別撤廃委員会日本審査に参加した代表の報告
参加費:500円
主催:フォーラム平和・人権・環境
mail: office★peace-forum.top (送信の際は★を@に) http://www.peace-forum.com/

4)前田朗インタヴュー講座 憲法再入門 第9回

日本国憲法と植民地主義 宋連玉さん

インタヴュアー:前田朗さん
インタヴュイー:宋連玉(ソン・ヨノク)さん
青山学院大学名誉教授、文化センターアリラン館長。
 主著に『脱帝国のフェミニズムを求めて――朝鮮女性と植民地主義』(有志舎)、『軍隊と性暴力――朝鮮半島の20世紀』(現代史料出版)、『歴史をひらく――女性史・ジェンダー史からみる東アジア世界』(御茶ノ水書房)など。

日時:10月13日(土)14:00~(13:30開場)
会場:新宿文化センター 第1会議室(新宿区新宿6-14-1)
大江戸線「東新宿駅」A3出口より徒歩5分
丸ノ内線「新宿三丁目駅」E1出口より徒歩7分
アクセス→https://goo.gl/2gYyYF
資料代:500円
主催:平和力フォーラム 東京都八王子市宇津貫町1556 東京造形大学・前田研究室
TEL:042-637-8872 070-2307-1071/E-mail:maeda@zokei.ac.jp

5.ヘイト街宣・デモ警報 (閲覧注意)

★★ カウンター行動(抗議行動)される際は十分お気をつけ下さい。★★
★★ 経験が少ない方は、複数での参加をお勧めします。      ★★

1)日本第一党主催「10・14 反移民デー」と称するヘイトデモ・街宣が全国各地24か所で10月14日午後2時から一斉に行われそうです。

 桜井誠は北海道、札幌大通公園西4丁目広場にて、ほかに各県本部主催で以下が予定されています。
  • 宮城県仙台市青葉区商店街(街宣)
  • 千葉県JR市川駅北口ロータリー(街宣)
  • 東京都内(デモ)
  • 神奈川県横浜市鶴見駅前(街宣)
  • 埼玉県浦和市東口(街宣)
  • 長野県長野市新田長交差点(街宣)
  • 静岡県静岡駅北口(街宣)
  • 岐阜県名鉄岐阜駅前(街宣)
  • 愛知県名古屋市内(デモ)
  • 三重県近鉄四日市駅西口(街宣)
  • 奈良県近鉄大和八木駅南口(街宣)
  • 京都府京都市内(街宣)
  • 大阪府大阪市内(デモ)
  • 広島県広島平和記念公園原爆ドーム前(デモ)
  • 徳島県徳島駅前(デモ)
  • 愛媛県松山市駅坊ちゃん広場(デモ)
  • 福岡県福岡市内(デモ)
  • 佐賀県佐賀駅南側(街宣)
  • 長崎県JR長崎駅ホテルニュー長崎前(街宣)
  • 宮崎県国道10号線山形屋ボンベルタ橘交差点(街宣)
  • 熊本県熊本駅白川口前(街宣)
  • 鹿児島県鹿児島市天文館ビル前(街宣)
  • 沖縄県那覇市沖縄県庁前(街宣)
#ヘイト行動情報 を参考になさってください。

6.新聞・雑誌記事・Webより

1)授業中、在特会から浴びたヘイト 20歳が語るあの日

朝日新聞 9月13日

 2009年12月4日、「在日特権を許さない市民の会」(在特会)の憎悪を扇動するヘイトスピーチで授業を妨害された京都朝鮮第一初級学校(京都市、現・京都朝鮮初級学校)の校舎内に、李宗海(リチョンヘ)さん(20)=大津市=はいた。「あの日」について考えたことを22日に大阪市で発表する。
https://www.asahi.com/articles/ASL943J9QL94PTIL012.html

2)ムバッペに対して人種差別的なツイートをしたYoutuberに約2億円の罰金…

FOOTBALL TRIBE 9月15日

 パリ・サンジェルマンのフランス代表FWキリアン・ムバッペに対して人種差別的なツイートをしたブラジル人Youtuberに約2億円の罰金を科せられたようだ。米メディア『ESPN』伝えている。
https://football-tribe.com/japan/2018/09/15/70044/

3)ヘイトに実効性ある条例を 川崎でシンポ、弁護士講演

共同通信 9月15日

 東京弁護士会がまとめた条例モデル案の作成に携わった在日コリアンの金竜介弁護士が講演し、実効性のある条例の必要性を訴えた。
https://this.kiji.is/413622222151353441?c=39550187727945729

4)独情報機関トップに疑惑=排外政党に便宜か-メルケル政権、くすぶる火種

時事通信 9月15日

 ドイツの情報機関トップが、排外主義政党にひそかに接近し便宜を図っていた疑惑が浮上している。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018091500394&g=int

5)防弾少年団、秋元康とのコラボ中止へ…日本シングル収録曲の変更を急遽発表

Kstyle 9月16日

 防弾少年団のファンは秋元康の女性蔑視議論などを理由に、コラボレーションの中断を要求してきた。
https://wezz-y.com/archives/58780

6)秋雨のソウル都心で「難民受け入れ賛成・反対集会」が対峙

ハンギョレ新聞 9月17日

 小雨の降る秋空の下、ソウル都心の真ん中で「難民と共にする」人々と「難民に反対する」人々が同時に集会を開いた。
http://japan.hani.co.kr/arti/politics/31652.html

7)ライアン・マーフィー、エミー賞をヘイトクライムの犠牲者に捧げる

ELLE 9月19日

 クリエイターのライアン・マーフィーは受賞スピーチで「この作品はたくさんの問題に関するものです。個人の意識の中に取り込まれ、また個人の意識の外に取り出され客観視された同性愛嫌悪に関するドラマです」とコメント。
https://www.elle.com/jp/culture/celebgossip/a23307795/ryan-murphy-180919/

8)東京五輪へ、差別防止条例などを審議 都議会が開会

日経新聞 9月19日

 東京都議会の定例会が19日、開会した。2020年東京五輪・パラリンピックに向け、性的少数者(LGBT)や人種を理由とした差別を防ぐ条例案などが審議される。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO35544500Z10C18A9CC1000/

9)LGBTへのヘイトは自殺につながる トランスジェンダー男性・遠藤まめたさんが自叙伝

読書好日 9月19日

 女子高の制服が、たまらなく厭だった。
https://book.asahi.com/article/11824962

10)青山ブックセンター書店員 山下優さんに聞く、本が売れる店作り

ニュースイッチ 9月20日

 いわゆるヘイト本は一切置いていない。多様な文化や考え方、価値観がある事自体を否定するわけではないけれど、ヘイト本は明らかに何かを貶めている。
https://newswitch.jp/p/14487

11)杉田水脈発言擁護は言論の自由ではない── 新潮社を作家や他社も批判、購買や仕入れ中止の動きも

BUSINESS INSIDER 9月20日

 自民党の杉田水脈(みお)衆院議員の「LGBTは『生産性』がない」という差別的な主張を掲載し大きな批判を受けた『新潮45』が、杉田議員を擁護する特集を組んだ。
https://www.businessinsider.jp/post-175622

12)新潮社の本を棚から撤去 和歌山の書店、新潮45に抗議

朝日新聞 9月21日

 自民党の杉田水脈(みお)衆院議員が同性カップルを念頭に「生産性がない」などと月刊誌「新潮45」で主張した問題に関連し、和歌山市万町の書店「本屋プラグ」は20日、新潮社の新刊本の販売を当面取りやめる方針を明らかにした。
https://www.asahi.com/articles/ASL9N41TGL9NPXLB006.html

13)新潮45「右寄り」に活路 出版不況で「ヘイト路線」「炎上商法」? 批判噴出「なぜ差別に加担」

毎日新聞 9月21日

 杉田水脈衆院議員の性的少数者への差別論文を載せ、擁護する特集まで組んだ月刊誌「新潮45」。
https://mainichi.jp/articles/20180921/ddm/041/040/029000c

14)新潮社社長「常識逸脱した偏見」月刊誌特集でLGBTに

共同通信 9月21日

 新潮社は21日、性的少数者(LGBT)を巡る表現で批判を受けている月刊誌「新潮45」10月号の特集について「あまりに常識を逸脱した偏見と認識不足に満ちた表現が見受けられた」と、内容に問題があったことを認める佐藤隆信社長名の談話を発表した。
https://this.kiji.is/415795571616121953

15)ドイツで過激化する反移民デモ、背後に排斥感情あおる極右団体

BUZZFEED 9月22日

 「難民にレイプされた女性を守ろうとして男性が殺された」というデマをきっかけに、移民排斥デモが暴動に発展したドイツ東部ケムニッツ。背後には極右団体の存在があった。
https://www.buzzfeed.com/jp/lesterfeder/germany-chemnitz-far-right-neo-nazis-1?utm_source=dynamic&utm_campaign=bfsharetwitter&utm_term=.cwl7B9DB03

7.9月12日放送のりこえねっとTVダイジェスト

NO HATE TV 第46回「ネトウヨ、ついに台湾を反日認定」

https://youtu.be/KBm8_19_CMw

◆大坂なおみ全米オープン優勝後のあれこれ。

 国籍なんかどうでもいいんだよというのも違う。大坂なおみさんのような人が出てきて偉業を成し遂げた時の、日本人の反応はどうあるべきなのかという話になるのでは。それを鏡にして自分らが何を映すかという問題なのでは、と野間さん。

 かつて宮本エリアナさんの例があった。ミスユニバース日本代表がなんで黒人なんだと。その時よりも日本の誇りだとか過剰に言いたがる人が多いような気がすると野間さんが言うと、カズオ・イシグロもそうでした、と安田さんが言います。

 テレビで彼女(大坂)の話している場面でのカタカナ字幕に怒る人はリベラルでありまたナショナリスティック。見る人をいろいろと考えさせてしまう存在。ノーベル賞、オリンピック等で快挙を成し遂げたら二重国籍の特例をなどと足立康史が言っている。それ本人になんの得が?と野間さんが笑います。

 すべてにおいてイヤ。今まで足立康史が何を言ってきたか。いろんな意味で間違えてる。粗雑でナショナルなものを感じると安田さんが言います。

◆桜井誠の存在がヘイトスピーチそのもの

 「存在がヘイトスピーチそのもの」と言われ名誉棄損と訴えた桜井だが全面敗訴。1審で評論の範囲内、発言には真実性があるとの判断。差別に寄生して生活を営むな、と有田芳生さんが言った。2審棄却で最高裁が上告を棄却し1・2審の判決が確定したということです、と安田さん。

 存在がヘイトスピーチそのものであり、差別に寄生して食ってるやつだと。正しいことでも名誉棄損になる場合もあるが、公益性もあり、真実で、発言はヘイトスピーチであると裁判内で認められたわけです。今後、桜井誠に存在がヘイトスピーチであると言って訴えられてもこの判例で勝てますから、と野間さんが言います。

 桜井が「傷つけられ」て名誉棄損で損害賠償500万て、あなたに傷つけられた人がどれだけいると思っているのか、本当に傷つけたのは誰なのか。有田さんの問題提起は正しかった、と安田さんが怒りを込めます。

 裁判自体がパフォーマンス。(有田さんが)勝訴したと言っても一銭の得にもならない。裁判費用で結局有田さんは損している。ヘイトと闘っているとターゲットにされがち。橋下徹が名誉棄損でやはり有田さんを提訴した裁判でも大阪地裁は「おまえも挑発的にひどいことばっかり言ってんだからちょっとぐらい我慢しろよ(意訳)」と画期的な判決、と野間さん。

 「危険の引き受けの法理」です。これは名誉棄損に適応されたことはない。たとえば危険を承知でやったのだからその程度は予測できたでしょうということ。簡単に言うと、罵倒の応酬くらいでいちいち裁判すんなよ、そんなのを法廷に持ち込むなよという判決なのでは、と野間さんが説明します。

 私も訴えられましたと安田さん。最高裁棄却で勝ちました。スラップ訴訟に近いものでしたが、今後一般の人に対して、被害者でありながら訴訟の対象になるかもしれないことを危惧しています、と語ります。

 金があるものが訴えたもん勝ちってのはよくないし、パフォーマンスとして裁判をやる、それが弱者に向いたりというのはよくないと思うと野間さんが言います。はじめてDHCを認識したのはスラップ訴訟でだった。スラップ訴訟を起こしては負けている。最近は澤藤統一郎弁護士にスラップ訴訟を起こしてDHCは完敗。でも金があるからなんのダメージも受けていない。とりあえずやっとけという感じ。政府もそういう体質になってきているのでは。

 安田さんも、DHCは大学翻訳センターだった時にも労働運動つぶしで裁判を起こしているし、危険な兆候では、と言います。

◆植村裁判 西岡力本人尋問

 東京地裁では原告・植村隆、西岡力・文芸春秋が被告です。 櫻井よしこ・新潮社・ダイヤモンド社・ワックは札幌で。「捏造記者」と書かれたことに対する名誉棄損損害賠償請求は東京、札幌2本立てで進行中。これも神原弁護士です。

 画期的なことは、西岡力さんが捏造記事の証拠としてあげた「『女子挺身隊の名の元で戦場に連行された』と金学順さんが言っていないのに勝手に書いた」との件は、すでに記事になっていたこと。「『親に身売りされて40円で慰安婦になった』ということを書かなかった」というが、その内容こそが捏造だったことがわかったんです、と安田さん。

 櫻井よしこも西岡力にしても捏造はおまえら。もう何回も指摘されている、それも10年以上前から。誤りがわかったら訂正すればいいのにほおかむり。植村さんが捏造記者と言われてどれだけ生活を侵害されたか考えると、事実を認めただけでは済まない、と野間さん。

 記者生命だけでなく抹殺されるほどの恐怖を家族も味わってきた、と安田さんも言います。デマの潮流、保守は嘘つき、平気で人をだます。なんでこんなに必死にやらないと伝わらないのか。ウソつきすぎ、むかつきますと野間さんが怒ります。

 吉田証言と吉田調書がごっちゃになっている。全体がざっくりぼんやり。プロパガンダってそんなもん。右翼は昔から朝日を攻撃対象にしてきた。今は雰囲気でなにかのスケープゴートになっているし朝日もひよってる、と続けます。

 昔から朝日は強者の象徴、今は朝日を叩くことが一つの娯楽と安田さん。メディアは右からも左からも叩かれる運命だけれど、今は非常に低俗でよく調べずに、植村さんがすべて関与しているかのように流布されること自体低レベルの話。

 識者とかと言って出てきて「朝日ガー」と言った時点でアホ認定していい。それぐらい記号化していて、本当に今朝日新聞を批判しようとしたらそこに乗っからないと思うので。大阪は悲惨。府知事も市長もあんなん。アホワードの中に「慰安婦」「朝日」があると思う、と野間さん。

◆国連人種差別撤廃委員会 日本審査総括所見

 8月30日に総括所見が出ました。45項目あり、注目されるのは、ヘイトスピーチ解消法を一定程度評価したうえでしかし不十分だと。中身が全然ない。ヘイトし放題だし誰も刑事訴追されてないし、外国籍にしか適用されてないし、即刻改正しなさいと。国内の人権機関をしっかりしなさい。沖縄人も先住民族なんだから権利保護に対してちゃんと力を割きなさい。技能実習生の権利、人種差別と女性差別の複合差別、ムスリムのプロファイリング、慰安婦問題の事実の認定などなどで45項目にも上ります。ヒューライツ大阪で日本語訳が載っていますのでご覧ください。
https://www.hurights.or.jp/archives/newsinbrief-ja/section1/2018CERD%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%AF%A9%E6%9F%BB%E7%B7%8F%E6%8B%AC%E6%89%80%E8%A6%8B%EF%BC%88%E4%BB%AE%E8%A8%B3%EF%BC%89.pdf

◆ネトウヨ ついに台湾を反日認定

 台湾はネトウヨにとって心の拠りどころ。唯一のアジアの親日国台湾に今回めっちゃ怒られている。(台南の慰安婦像を「ストレッチ」している藤井実彦(ふじいみつひこ)の映像から見ながら)9月5日に虎ノ門ニュースに安倍が出てひんしゅく。居島一平、有本薫、百田尚樹、ケント・ギルバートとか問題起こしているのはいつも同じ面子。組織的に動いている感。藤井実彦もその一端にいる。インディー感というか少数のへんな集団に国が乗っ取られてる感。NHKとか。クーデターって感じ、と野間さん。

 藤井は2013年ころに出てきた人。安倍政権誕生と同時。連動している。好き放題やって今回ビビったのだろう、すぐツイッターアカウント消しましたから。

 安田さんが解説します。論破プロジェクトで注目された人です。2014年のフランスの国際漫画祭で従軍慰安婦はなかったという漫画を出展しようとして中止要請が。その出展者が論破プロジェクトで、代表が藤井だった。キャラクターが幸福実現党のクマ。以前トクマがインタビューに答えて、藤井は幸福の科学の信者であると言っている。きのう「エル・カンターレ像にストレッチをする」というデモがあったようです(笑)。

 論破プロジェクトは漫画で慰安婦問題とか、いわゆる「特亜」の主張を論破しようというありがちな。失笑されて終わってるんですが。論破プロジェクトイコール幸福の科学というイメージはついてます、と野間さん。

 「『慰安婦の真実』国民運動」は幸福の科学ではありませんと強調した理由は、2017年3月にNOHATETVで放送しましたが、ここは我那覇真子を国連に連れてった団体です。幸福の科学が堂々と否定できるのは、統一教会だからウチじゃないです、と言っているだけ。

 沖縄でもそうですが幸福の科学と統一教会は仲が悪いわけではない。藤井はたぶん幸福の信者。極右宗教右派としてがっつりタッグ組んでてしかもいつもの面子を裏で操っているということ。

 安倍も、虎ノ門ニュースを、いつもひそかに見ていますとか言ったらしい。毎朝でしょう。こういうのが日本をむちゃくちゃにしているというのがここ5,6年の政治状況、一掃しないと、と野間さんがいいます。

 世界日報を引用、援用しているのが幸福実現党だったりするのは沖縄ではよくある話、と安田さん。

 信者が政界に入り込んでいるとかいう話ではなく単に反共でつながっている、ドライに利害一致で動いてる感じ。だから論破プロジェクトやりながら慰安婦の真実国民運動にも所属できるわけ。信仰心も関係なく。そろそろ一般の人も同じ面子だと気付いているのではと野間さん。

 映像はパフォーマンスで写真撮るためのものですよね、撮影者がいる。今までもやっていてそれをnetに流すことが一つのプロパガンダになっている。テキサス親父、藤木の日本版ツイッターは凍結されましたが。台南市に像の撤去の申し入れに行っているはずなのに蹴ったので市長が激怒。謝るまで出国禁止と。翌日入国禁止に。実名で新聞・netにでかでか。

 台湾の人はナショナリズムを傷つけられたと思って怒っている。像は国民党が建てて、中国共産党の息がかかったのがやってるに違いないんだから撤去しましょうよ、と言いに行ったのに実際は違った。

 すべてがめちゃくちゃで歴史と切り離されていて、憎悪だけが増幅していった結果こういうことになる。藤井が特にアホだったからというわけでもない。首相クラスからそうなんだから、と野間さん。

 ムンジェイン大統領に「ありがとう」を言わなかった事件。4日後にやっと言った。幼稚。コドモっぽい。大地震の北海道に対して50億。でもウクライナには1500億。大阪はまだ停電してるのに大阪の松井市長はほったらかしでオリンピックの営業に行っちゃった。維新とか超党派。ナニかの集団。秘密結社?日本政治史上最悪と野間さんが切り捨てます。

 総裁選、自民党応援する義理はないんだけど生まれて初めて総裁選で(笑)。石破さんの方がよっぽど極右なのに、と安田さん。

 石破はまだ常識を持った昔ながらの極右という感じ、と野間さん。安倍はニュータイプ、子供。またプーチンにカツアゲされてたし。革命を目指す人の気持ちがだんだんわかってきた、今「維新」とか言ってるやつは革命、クーデターやってるつもりなのでは?

 これを粉砕しなければいけない、そろそろ本気出すか、という野間さんに対して、革命に対して反革命というのは自虐的な気がする。革命に対してさらなる革命をぶつける形で世の中を変えていきたいと思っています、と安田さん。

 今の状況を「卑劣革命」と名付けようとの野間さんの言葉のあと、第5回のりこえ祭り、DHC・長谷川幸洋裁判の告知で終わります。
(まとめ・文責:のりこえねっと事務局)

8.編集後記

 先日、第5回ののりこえ祭り・総会が無事終了しました。ご賛同ご支援いただいている皆さまのおかげで6年目に入ります。誠にありがとうございます。のりこえねっとなんてもう要らないよという社会が、ほんとうは一番なのですけれどね。


 杉田水脈の記事を掲載した「新潮45」は休刊と言う名の廃刊が決まったようで、とりあえずはうれしい知らせでした。雨の中、新潮社本社前抗議に参加された方もたくさんおられます。ご苦労様そして感謝申しあげます。

 26日はDHC・長谷川幸洋氏に対する裁判の第1回の口頭弁論です。ニュース女子はまだnetで放映されています。裁判はまだまだ続きます。傍聴にご参加お待ちしております。(み)
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のりこえねっと通信0192号2018年9月26日発行

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