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■■■■■ -ヘイトスピーチとレイシズムを乗り越える国際ネットワーク-
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■■■ のりこえねっと通信0209号 2019年6月12日発行
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■ ◆転送歓迎◆
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★配信専用アドレス[mailmag@norikoenet.jp]よりお送りしております。

賛同者の皆さま のりこえねっと通信をお読みの皆さま。
いよいよ梅雨に突入しました。つゆ寒の日が続きます。風邪にお気を付けください。
さて20日の木曜日、東京高裁にて辛淑玉のりこえねっと共同代表が、石井孝明を名誉棄損で訴えていた裁判の第2審判決が下されます。その結果をもって同日夕方18時30分より報告会を行います。合わせて、長谷川幸洋氏・DHC裁判の途中経過も報告いたします。どうぞご参加ください。詳細は下記の1をご覧ください。

本日12日午後8時からは、NO HATE TV 第64回「正義への怖れ」を放送します。
世に蔓延する「どっちもどっち論」、糸井重里的ニヒリズムはいったいどこから来るのか。先日放送されたNEWS23を題材に、安田浩一さんと野間易通さんが語ります。
ぜひご覧ください。



<今号の目次>
  1. 石井孝明裁判第2審判決と、DHC・長谷川幸洋裁判の経過報告集会のお知らせ
  2. 6月12日のりこえねっとTV「NO HATE TV」のお知らせ
  3. 反レイシズム情報
  4. ヘイト街宣・デモ警報
  5. 新聞・雑誌記事・Webより
  6. 5月8日放送のりこえねっとTVダイジェスト
  7. 5月22日放送のりこえねっとTVダイジェスト
  8. 編集後記

1.石井孝明裁判第2審判決と、DHC・長谷川幸洋裁判の経過報告集会のお知らせ

 6月20日午後1時15分より地裁717号法廷にて、辛淑玉のりこえねっと共同代表が石井孝明氏を名誉棄損で訴えていた裁判の第2審判決が下されます。
 同日6時半より下記の会場にて、石井裁判判決の内容報告と、一方で裁判継続中のDHC・長谷川幸洋裁判の経過報告をいたします。
 多くの方のご参加をお待ちします。

日時: 6月20日(木)18:30〜(受付18:00)
会場: 新宿コズミックセンター3F大会議室 (東京都新宿区大久保3-1-2)
電話 03-3232-7701 FAX 03-3209-1833
アクセス:東京メトロ副都心線「西早稲田」駅 3番出口徒歩約3分/東京メトロ副都心線・都営大江戸線「東新宿」駅 B1出口徒歩約10分/JR・西武新宿線「高田馬場」駅 徒歩約15分/JR「新大久保」駅より徒歩約15分/都バス 池袋東口(池86)・新宿西口(早77)・高田馬場(高71)で「コズミックセンター前」下車 徒歩約2分
https://www.regasu-shinjuku.or.jp/?p=102796
参加費:無料

2.のりこえねっとTV NO HATE TV第64回「正義への怖れ」

https://youtu.be/JjZZZiQYH4I

 世に蔓延する「どっちもどっち論」、糸井重里的ニヒリズムはいったいどこから来るのか。先日放送されたNEWS23を題材に、安田と野間が言いたい放題。ほかに、トランプ来訪日英の違い、長谷川豊と維新の会など。

<出演者>
◆安田浩一(やすだ・こういち) ジャーナリスト。
◆野間易通(のま・やすみち) C.R.A.C.

【のりこえねっと】
公式サイト: http://www.norikoenet.org
Twitter:https://twitter.com/norikoenet
Facebook:https://www.facebook.com/norikoenet

【NO HATE TV】
Twitter:https://twitter.com/nohatetv
Facebook:https://www.facebook.com/nohatetv

3.反レイシズム情報

★集会・デモ・セミナー・上映会などのお知らせを掲載します。
HPのトップページにある『お問い合わせ』から 日時、会場、タイトル及び内容、主催者、主催者の連絡先などを300文字以内でお知らせ下さい。
https://norikoenet.jp/about_us/contact_us/

1)日朝関係史講座「3.1独立運動から100年 いま日朝関係は」

(~7/5 毎週金曜日、同志社大学)
案内→ http://www17.plala.or.jp/kyodo/
チラシ→ http://www17.plala.or.jp/kyodo/0705.jpg

日時:毎週金曜日18:25~19:55
場所:同志社大学 今出川キャンパス 至誠館(S)1教室
〒602-8580 京都市上京区今出川通り烏丸東入
地下鉄烏丸線「今出川」駅から徒歩1分
アクセス→ http://www.chikyu.ac.jp/sato-project/siseikan.pdf

講演テーマ・講師:
6/14「日本軍性奴隷制問題から現代社会をみつめる」
方清子(パン・チョンジャ)さん(日本軍「慰安婦」問題・関西ネットワーク共同代表)

6/21「“Small Great Power”としての朝鮮民主主義人民共和国(仮)」森類臣(もり・ともおみ)さん (立命館大学コリア研究センター客員研究員)

6/28「戦後日本における植民地支配責任論の系譜(仮)」板垣竜太さん(同志社大学教員)

7/5「日本からみた朝鮮、朝鮮からみた日本」金賢一(キム・ヒョニル)さん(京都同胞生活総合センター)

※講演テーマと講師に関しては変更する可能性があります。
参加費:無料
参加資格:一切なし(どなたでも参加できます。)
主催:同志社大学KOREA文化研究会
連絡先: e-mail: doshisha_koribun@yahoo.co.ip 担当/李宗海

2)全国フェミニスト議員連盟 総会記念セミナー「私たちに何ができるか?! ―改正入管法とジェンダー―」

この4月、改正入管法が施行されました。しかし日本は、多くの外国人を受け入れるには未解決の問題が山積みです。女性差別・外国人差別を生んできた人権意識の希薄さ、“ダイバーシティ”とは名ばかりの排外的教育、非正規の増大や労働基準法の形骸化、国際条約の軽視etc.-
それにDV・セクハラ相談、言語、学校、医療など待ったなしの対応がせまられるのは自治体です。
外国人と友情をつむげる社会をめざす私たちに何ができるか、現状と課題を学びます。

◇改正入管法から見た日本の難民政策
講師:石井宏明(認定NPO法人難民支援協会理事、一橋大学非常勤講師)
◇HELPから見た在日外国人女性の苦悩
講師:松井弘子(女性の家HELP施設長、矯風会常任理事)

日時: 6月15日(土)14:30~
総会はセミナー開始前13時から14時まで ☆会員でない方も総会&セミナーともに大歓迎。セミナー終了後に懇親会あり(事前連絡をお願いします)
会場:日本女子大学 百年館低層棟207
アクセス:JR目白駅徒歩15分(バス停日本女子大前もあり)地下鉄雑司ヶ谷駅徒歩8分/護国寺駅徒歩10分
資料代:500円
主催:全国フェミニスト議員連盟
問合せ:同連盟世話人 片山 090-2460-9303 三井 090-8595-6421

3)朝鮮学校の歴史と現状を描く長編ドキュメンタリー映画『アイ(子ども)たちの学校』

朝鮮学校の歴史と現状を描いた長編ドキュメンタリー映画「アイ(子ども)たちの学校」(髙賛侑監督)では、4・24阪神教育闘争の衝撃的なニュース映像、体験者の証言、前川喜平元文部科学事務次官のインタビューなど、貴重な映像を通して民族教育史の真実が浮き彫りにされています。
予告編→ https://www.youtube.com/watch?v=CMayEkzMzbY

100年の差別-その闘いの記憶
公開:6月15日(土)~6月28日(金)〔上映時間未定〕 ドキュメンタリー/2019年/99分
上映館:アップリンク渋谷 案内→ https://shibuya.uplink.co.jp/movie/2019/54264
地図→ https://shibuya.uplink.co.jp/map
監督:髙賛侑(コウ・チャニュウ)
制作:「アイたちの学校」制作委員会
お問い合わせ:kochanyu@hotmail.com
ブログ http://blog.livedoor.jp/ko_chanyu/

4)安田浩一さん講演会「ヘイトスピーチを許すと社会が壊れる」

1.安田浩一さん講演「ヘイトスピーチを許すと社会が壊れる」
2.川崎からの報告「ヘイトスピーチを規制する条例の制定について」

日時:6月16日(日) 18:15開場18:30〜20:30
会場:ボーノ相模大野サウスモール3階ユニコムプラザさがみはら・セミナールーム
( 相模原市南区相模大野3-2 TEL:042-748-8899)小田急線相模大野駅北口下車徒歩2分
協力金:500円
主催:勇気野菜プロジェクト/反差別相模原市民ネットワーク
090-1458-6761(田中)hansabetsu.sagamihara@gmail.com

5)≪要予約≫ 学習会「複合差別という判決を勝ち取って―在日コリアン女性の闘いに学ぶ」

日時: 6月22日(土)14:00~16:30(13:30受付)
場所:ドーンセンター大会議室3(4F)(大阪府立男女共同参画・青少年センター 京阪、Osaka Metro 谷町線「天満橋」駅より約350m)
講師:李信恵(り しね)フリーライター/元百合子(もと ゆりこ)国際人権法研究者
資料代:500円 ※要事前申込
問合せ・申込先:ヒューライツ大阪
Eメール webmail@hurights.or.jp
TEL 06-6543-7003 FAX 06-6543-7004
共催:アプロ・未来を創造する在日コリアン女性ネットワーク/(一財)アジア・太平洋人権情報センター(ヒューライツ大阪)

4.ヘイト街宣・デモ 警報

★★ カウンター行動(抗議行動)される際は十分お気をつけ下さい。★★
★★ 経験が少ない方は、複数での参加をお勧めします。 ★★

1)JR埼京線十条駅前 佐藤悟志 街宣

日時:6月15日(土)16:30~18:00

2)浅草 花川戸公園 新妻舞美 デモ

日時:6月16日(日)15:00集合 15:30~

3)新宿駅東口アルタ前 反グロ(遠藤修一)街宣

日時:6月27日(木)19:00~

#ヘイト行動情報
 もし街中で見かけたら、このタグをつけてツイートしてください。以下の情報があるとわかりやすいです。
  • 場所(駅・交差点名、目印の建物など)
  • 人数がわかる全景写真
  • 団体がわかる幟や弾幕の写真
  • 弁士の顔写真

5.新聞・雑誌記事・Webより

1)ツイッターが差別に重い腰、学術研究者らと対策研究へ

MIT Tech Review 5月31日

 ツイッターは現在、人種差別主義者らを同社のプラットフォームから締め出すか、あるいは改心させるために留めさせておくかを判断するために、研究者らに意見を求めている。
https://www.technologyreview.jp/nl/twitter-wants-help-deciding-whether-to-keep-white-supremacists-or-not/

2)慰安婦問題に迫るドキュメンタリー 映画「主戦場」めぐりバトル

東京新聞 5月31日

 米国で子供のころから激しいアジア人蔑視にさらされてきただけに、差別に対する日本社会の「沈黙」は気になった。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201905/CK2019053102000136.html

3)「恥ずべきヘイト」 対策法3年で西田氏ら国会議員

京都新聞 6月1日

 不当な差別的言動は許されないと宣言したヘイトスピーチ対策法の施行から6月3日で丸3年を迎えるのを前に、制定に関わった与野党の参院議員4人が31日、参院議員会館で記者会見し、同法の意義や成果のほか、選挙やインターネットを使用した人権侵害など今後の課題を語った。
https://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20190601000005

4)ネットで誹謗中傷、勝手にアウティング――ゲイの若者を標的にしたストーカー行為に立ち向かう青年

Buzzfeed 6月1日

 2016年4月18日。マックスはドイツ北部の中規模都市、ブレーメンで通っている高校の校内を歩いていた。ガラス張りのドアを押して小さな部屋に入ると、テーブルの上に厚紙でできた白い箱が置いてあるのが目に入った。
https://www.buzzfeed.com/jp/julianeloeffler/gay-teenager-germany-stalking-harassment-homophobia-1?utm_source=dynamic&utm_campaign=bfsharetwitter

5)社説 ヘイト法3年 不断の見直し進めてこそ

京都新聞 6月2日

 ヘイトスピーチ(憎悪表現)対策法の施行からあすで3年になる。
https://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/20190602_3.html

6)「事実に基づかない臆測」 登戸児童殺傷事件、デマに市長

神奈川新聞 6月3日

 川崎市多摩区の登戸駅近くの路上で児童ら20人が殺傷された事件を巡り、インターネット上で「犯人は在日コリアン」などの差別に基づくデマが拡散していることについて、同市の福田紀彦市長は3日、「事実に基づかない臆測が流布している。
https://www.kanaloco.jp/article/entry-172156.html

7)人権委嫌悪差別予防キャンペーン「それぞれの色で、向き合って」推進

イラン出身の難民キム君「難民狙ったコメントが胸に刺さっている」訴え
ハンギョレ新聞 6月5日

 イランのテヘランで生まれたキム・ミンヒョク君(17)は、2010年に7歳のとき事業家の父親について韓国に来た後、絶えず「外国人」と「難民」に対する偏見とヘイト(嫌悪)に苦しめられた。
http://japan.hani.co.kr/arti/politics/33601.html

8)ツイッターの凍結について

Forces of Oppression 6月5日

 要するにどういうことかというと、実名で責任を負って発言しているアカウントに対して、匿名でヘラヘラと執拗に理不尽な嫌がらせをするのはルール違反ではないが、それに対して真剣に怒ったりするのはアカウント凍結するに値するほどの罪なのだということだろう。
https://kdxn.tumblr.com/

9)ヘイト抑止条例、来春施行 市議会で全会一致

毎日新聞 6月5日

 神戸市議会は5日、外国人に対する差別の防止と解消に向け、相談体制の拡充などを盛り込んだ議員提案による条例案を全会一致で可決した。
https://mainichi.jp/articles/20190605/ddf/007/010/011000c

10)「ヘイトスピーチ禁止」をYouTubeが強化、差別団体やナチスの賛美・歴史修正主義動画も削除対象に

BUZZAP! 6月6日

 あの「アダルトマン将軍」騒動から1年。
 YouTubeがコミュニティガイドラインを改定し、ヘイトスピーチやハラスメントの禁止をさらに強化します。
https://buzzap.jp/news/20190606-youtube-ban-hatespeech/

11)ロンドンでレズビアンカップルが暴行被害 キス見せるのを拒み

AFP 6月8日

 英ロンドンで、深夜バスに乗っていたレズビアン(女性同性愛者)のカップルが、男のグループから暴行を受ける事件が起きた。
https://www.afpbb.com/articles/-/3228997

6.5月8日放送のりこえねっとTV NO HATE TV 第62回

「団地と移民」

https://youtu.be/e_6Kewy9Oh0

赤報隊賛美デモ

 5月3日に東京中央区銀座で行われた赤報隊賛美デモに反対するカウンターの映像を見ながら話します。
 デモ隊の人数少なくそれを警護、警備する警察の人数が多い。間違いなくヘイトデモ。朝日新聞東京本社の前でも阪神支社の前でも街宣が行われていたよう。朝日新聞自身がこれを取り上げないのはおかしい、とその日参加した安田さんが言います。
 野間さんも同意して、彼らに取材して記事にすべき。無視していいはずはない、朝日だけの問題ではない、と語ります。
 事件の風化がこわい、と安田さん。風化というより右派の勢いに押されているのでは?
 朝日新聞は強大な力を持っているのになぜそれを使わないのか、と野間さん。
 これからもムキになり続ける、と安田さん。

トミー・ロビンソン

 二日連続でマックシェイクを浴びせられるイングランド防衛同盟(English Defence League)のトミー・ロビンソンの映像を見ながら。
 日本の在特会みたいなもの。イスラムフォビア、移民反対ですと野間さんが説明します。EU議会の選挙運動中の出来事で、全世界的にこういう状況。(カウンターとの攻防の動画を見ながら) トミー・ロビンソンが辞めて勢いがなくなったとはいえこういう状況なんです。
 カウンターに毎回来てる人は休んで。あんまり頑張りすぎないで。かわりばんこでいい。遊びに行って、と野間さん。日本の無関心層に働きかけるにはオレらがやるしかない。あと10年くらいはやろうかと。

団地と移民

 安田浩一さんの新刊『団地と移民 課題最先端「空間」の闘い 』KADOKAWA(カドカワ)発行1728円の紹介です。わかりやすさ、読みやすさを考えて書きました。
 フランス、パリ郊外に取材に行きました。元々団地は勤労者のための住宅。フランスは19世紀から。今は移民難民の住宅に。フランス共産党は今中産階級の政党で風当りは強いと安田さん。

(「団地妻昼下がりの情事」を見ながら)深大寺団地が出てきます、と野間さん。

 竹中労は団地で革命をやろうとして失敗した。自治会長だった。団地妻の取材は、その後の監督を追って青森まで行った。自分の中でも区切りをつけたかったんです。
 松戸の常盤平団地も巨大な団地。反対運動も取材しました。65歳以上の住人が60%以上、独居が1000戸。孤独死も増えているという。若い外国人家族との共存を求めて活動している様子を取材しています、と安田さん。

 (2009年4月在特会がヘイトデモをする蕨市立南小学校前の映像を見ながら)この年の末に朝鮮学校襲撃事件が起きる、と野間さん。パリとかロンドンでファシストが郊外の団地を襲撃する様子がそっくり。2010年6月には芝園団地へのひどい嫌がらせもあった。こういうやりたい放題がその後3年間続いた。

 (芝園団地は)若い人がかかわって今変わってきている。夏祭りなんかも面白い、差異を楽しもうという雰囲気。自治会にも中国人が入っていたり、と安田さんが言います。
 悪いことが起きると外国人のせいにさせられる。ヘイトの基本中の基本、と野間さん。

 フランス、パリの郊外の団地はアラブ・アフリカ・カリブからの移民・難民が増えている。アソシアシオン・スペランサに取材。団地の有志が住民らに食糧支援、住居を提供するなどの活動をしている。若者にも活動の場を提供。2005年の少年2人が感電死した事件を発端とした活動や、パリ13区チャイナ団地を取材しましたと映像を見ながら安田さんが説明します。

 広島の基町アパートは街の中ですと安田さん。昔はスラムだった。1978年にできたモダンなデザインで屋上庭園もあります。この団地も半分近くは中国人世帯。残留孤児の家族が中心。引き揚げ事業後に広島市が提供した。40年近く団地で働く方の取材もしました。

 愛知県豊田の保見団地。日系ブラジル人が多い。ゴミ集積場が汚かったりすると全部ブラジル人のせいにされることが多い。だから掃除するしかないと思っている。それを美談にすることはよくない、と安田さん。

 野間さんが言います。最近川口でもクルド人が駅前清掃をしている。それでイメージをアップさせようと。それも良くない、本来やらなくてもいいこと。停めるわけにもいかないが。ここにも有門が行って、日系ブラジル人を対象にゴミだしのことで文句を言っている。本の中でアリカドをなぜ匿名に?と野間さんが安田さんに尋ねると、小物。名前与えないと安田さん。

 日系ブラジル人が増えたのは豊田自動車の労働者として。労働者不足です、と安田さんが説明します。90年代国は移民を受け入れない方針。考えた一つは技能実習生、でも工場で働かせられないから「移民」じゃなくて「日系人」を入れちゃおうと。働いてもいい、じゃなくて、住んでもいいですよと。ご都合主義です。

 で、また帳尻を合わせようとしてたのを全部ほったらかしてまた入管法を「改正」した、と野間さん。保見団地も芝園団地と似ている。日系の人たちと日本の人との交流がないところにマイノリティから働きかけて進めていっている。

 お互いを知る、同じ地域に住んでいるということで理解しあいましょうと。保見団地の佐久間さんという方を取材しました。リーマンショックの時さまざまな物資を援助しておられた、と安田さんが言います。

 安田さんの言葉をさえぎって、そのエピソードを語ると本当に本買わなくてよくなっちゃう。続きは本を買って読んでくださいと野間さんが言います。
(まとめ・文責:のりこえねっと事務局)

7.5月22日放送のりこえねっとTV NO HATE TV 第63回

「ヘイト政党日本維新の会」

https://youtu.be/ClbAqqkzMco

 アライグマのトマトソース煮を食べる安田さんの画像から。アライグマは今増えていて、かわいいだけじゃなくて農業被害など問題も。僕は動物好き。熊、パンダ、温泉とかもともとそういうライターなんです、と安田さんが言います。ハクビシンだと思うとだいたいがアライグマ。杉並、世田谷多いですよ。「クーンクーン」て泣きます(笑)

沖縄・平和行進

 5月15日に合わせて沖縄の復帰を考える行進です。右翼の妨害が年々ひどくなってきています、と安田さん。
 右翼は今回も逮捕されたよう。沖縄県警はちゃんとしてる。神奈川県警とつい比較してしまう、と野間さん。
僕としては大甘な警備だと思う、と安田さん。

見城徹(笑)

 本の実売部数を暴露。貶めるために言ったのは醜悪。版元は書き手を最後まで守り抜くのが仕事なのに許せない、と安田さんが怒ります。「日本国記」の瑕疵についてもちゃんと謝るべき、結着のつけ方があるはず。それが作家を守ること。
 野間さんも、元々角川の「読まない」敏腕編集者、それをもてはやしてきた結果日本国記のような本が出て、誰もさして問題にしない。マスメディアが静かにしすぎ、と批判します。

ヘイト政党 日本維新の会

 そもそも維新は在り方としては日本第一党とは対立する立場なのにヘイトになっちゃうのはなぜかと言う話をしたい。「えた非人は、一族ヤトウ(?)郎党十何人で取り囲んで侍の妻や子供を暴行していた犯罪のプロ」発言の長谷川豊どうですか、と野間さん。
 ロジック自体おかしいと安田さん。ツッコミどころが多すぎ。部落差別、歴史的な史料があったのか。何から何まで間違っている、と語ります。
 被差別部落に対する差別、性犯罪など、ヨーロッパの移民に対する差別を踏襲してる、と野間さん。

 部落解放中央同盟が日本維新の会代表あてに抗議文を出しました、と安田さんが読みます。

 歴史認識も、そもそも武士の設定も間違っている。ネット上で出回っていたらしい、と野間さん。つい最近は「女が完全にとちくるって本能に支配され切って完全にクルクルパーにならないと子供産もうなんて思わない」と。ひどいことを言おうということが目的化している。こんなやつを何のために議員にしたいのか。

 近々党紀委員会を開いてなんらかの処分を出すといことらしいですが、取材で「差別の歴史についてまったく知らなかった、発言は撤回する」と返答しているらしい。差別の歴史について、奈良出身で知らないわけないでしょう、と安田さんはあきれます。

丸山ほだか

 5月11日に国後島で「戦争しないとどうしようもなくないですか」と発言。
 よく議員になれましたね、と安田さん。女を買いに行こうとしていた、という週刊誌記事も出るようです。

 これはアウト。でも戦争発言の方がひどいと思う、と野間さん。憲法問題です。ビザなし交流であり、ロシアの警察権が及ばないという立場で行く。ロシアからこちらに来るときも日本の警察権はロシア人に及ばないという相互の立場で平和交流をするという目的でやっているのに、すべてをぶち壊しているのが丸山の発言。酔って言ったことが本音。なんでこんなやつを担当にしたのか。標津町の北方領土館へ行った時ビザなし交流の写真を見ました、と野間さんが続けます。もう20年交流をしてきたところにあの発言。以前は公人の2重国籍問題発言。アイヌ差別発言もあった。
 明確に差別を目的化してるところはそれなりに「ワッペン」つけてくれてるからわかりやすい。維新も自民党の一部、野党にもいるが、わかりずらい。差別主義者のワッペンも名札も着けてるわけじゃない。一見リベラルに、ロジカルに思えてしまう、と安田さんが言います。

 自分たちはフェアでリベラルだと思っていると思う。橋下徹のコンセプトをそのまま。「戦争」発言はそもそも橋下さん。マイノリティだと気を使うことなく公平に公正にという考えが根底にあって、平等にしなきゃいけないというリベラル的なコンセプトがあって、それを変な適用の仕方をして現代のレイシズムが成立していると野間さんが言います。公務員、組合が優遇されているとも。維新ができたのは2009年であからさまなヘイトは後半。前半は公務員バッシング。そもそも公の場で在特会を叩いたのは橋下。最初に反ヘイトスピーチ法を作ったのも。それと今の問題が全く矛盾することなく成立するのは今っぽいなと思います。
 維新の飛躍のきっかけは公務員バッシング。労働組合。一番受けたのは現業の公務員の賃金が高すぎるということ。恵まれている、守られている、特権を持っているとするロジック、回路そのものが在特会の成長過程と似通っている、と安田さんが言います。

 そういう批判は自分もしてきたところがある。橋下徹と共感するところはけっこうある、と野間さん。10年目にヘイト政党と言われちゃう。もう民族差別の領域に入っている。新井将敬の黒シール事件もあった。
 (帰化情報開示を求める足立康史の映像を見て)野間さんが語ります。つい2か月前の発言です。蓮舫、白眞勲を意識している。足立康史の発言は3年ほど前から。ネトウヨ的な発言。そもそも蓮舫は台湾なのに歴史もわかっていない。「立民は北朝鮮の工作員」とのツイートも。

 2016年の沖縄での「土人」発言に関しても当時大阪府知事だった松井一郎氏が擁護した件、多少なりとも沖縄の歴史、理解が及んでいれば、これは許しがたい発言だとわかるはず。松井さんも差別の歴史を知らなかったということだと安田さん。

 これは左翼に対する忌避感だと思う、と野間さん。左翼、組合とか社会運動とかデモとか、それに対する嫌悪感が根底にあるのを理屈をつけて押し通そうとする。自民党もそうだが。あの機動隊員を擁護する理由はないでしょう。維新のヘイトスピーチはだいたいそう。良識への反発、その最たるものが長谷川豊。維新のエッセンスを凝縮している。結果的に維新の結晶のようなもの(笑)。丸山も足立も、橋下をコピーしようとして失敗。松井もそうだし、サンフランシスコの慰安婦像を巡る吉本市長の発言も同じ。橋下の慰安婦問題のスタンスをそのまま踏襲しているだけ。 橋下はフェアであろうとした上に露悪趣味が重なってただのヘイトスピーチになってしまう、と語ります。

 橋下さんは最近チャンネル桜と敵対していて沖縄の保守層やネトウヨに非難されたりしている、と安田さん。

 そもそも基地引取り論を2013年くらいに橋下は言っているし民主党も褒めている。鵺のようというか、結局人気取り。「誰が橋下徹を作ったか」という本はいい本です。よくわかる。メディアを利用して広めていく手法は、トランプよりも安倍政権よりも早い。菅官房長官が今望月衣塑子さんをいじめているのも、知事時代の橋下がやっていたこと、と野間さん。

 菅さんと望月さん見てて既視感ある、と安田さん。橋下さんが市長だった時代に、毎日放送の斉加尚代さんを名指しで攻撃していた。先取りしていた。

 朝日新聞攻撃も、実は最初は民主党政権時代の橋下だったのではないか、と野間さん。そういうやり方は安倍政権がけっこう影響されているのでは?敵を作って対立をあおる手法自体は批判されることが多いが、自分はいいと思うが。朝日新聞叩きはこの15年ほど。叩いている方が間違っていることが明らかになっている。その認識をみんながどれだけ共有できるかということ、結局批判は実を結ばなかった。まさに長谷川こそが維新ぽさを凝縮したもの。頭の悪い橋下徹って感じ、と野間さん。

 週刊朝日事件で、佐野眞一さんが橋下徹の出自に関する記事を載せた、と安田さん。佐野さんが書いたことは長谷川豊が言ったこととほぼ同じ。擁護しようがない。朝日は謝罪した。朝日の失点。それから朝日バッシングのようなものに変化していく契機になった。「朝日」が記号化されてる違和感を感じていた。

 ウィキペディアがうまくまとめている。維新は「自民党維新の会」が最初。自民党の会派だった。それが大阪維新の会で独立。日本維新の党は石原慎太郎の党だった、忘れてたけど、と野間さん。保守のリベラル改革派みたいな意識があって、最終的に日本維新の会にまとまってヘイターになってしまった。ヘイトスピーチと親和性が高いなと。トランプとかと似てるなと。坂元竜馬にあこがれるとか、司馬遼太郎史観のようなものが大阪を支配してしまっている。ヘイトスピーチに対抗する抑止力、筋の通った議論を誰も持っていない。橋下さんは持ってるが間違った方に行きすぎてる。

 維新を注視する、きちんと見届ける、監視することも新たに課せられていると思う、と安田さん。

 「ヘイト政党」とレッテル張りをすることが大事。長谷川豊と足立康史と丸山穂高がいるんだから。松井も吉村も。レッテル張りは橋下の手法です。それを批判しない、やり返せばいいと思ってるから、と野間さんが言って終わります。
(まとめ・文責:のりこえねっと事務局)

8.編集後記

 参院決算委員会でのアベ首相の日本語もよくわからないが、話題になっている雑誌ViIViのツイートにあった自民党ハッシュタグの件、理解できずにいます。せっかくだから自民だけでなく多様な政党間の議論の場にすればいいのに。Tシャツもらって着たい? 余計なお世話ですが今後のViIViの売れ行きが心配です。
 NOHATETVのダイジェストは今号で5月8日と22日放送の2回分を掲載しています。ご覧ください。(お)
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のりこえねっと通信209号 2019年6月12日発行

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