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■■■■■ -ヘイトスピーチとレイシズムを乗り越える国際ネットワーク-
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■■■ のりこえねっと通信0222号2019年12月11日発行
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■ ◆転送歓迎◆
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★配信専用アドレス[ mailmag@norikoenet.jp ]よりお送りしております。

 賛同者の皆さま のりこえねっと通信をお読みの皆さま。
 雨模様の寒い日が続いています。いかがお過ごしでらっしゃいますか。
 外国人居住者の多い神奈川県川崎市で、刑事罰を盛り込んだ反ヘイト条例が成立されようとしています。
 ようやくヘイトスピーチは犯罪として罰せられるのです。今まで罰則がなかったことも驚きですが、日本国内では初の刑事罰付きの条例です。全国の他の自治体の条例に向けてのさきがけになるものと思います。

 さて、本日11日午後8時からはのりこえねっとTVの時間です。
 NO HATE TV第76回は「日本人へのヘイト?あるかボケ」と題して放送します。
 あした12日に採決予定の川崎市反ヘイト条例成立直前になってにわかに取り沙汰されてきた屁理屈「日本人へのヘイトスピーチ」の間違いを徹底解説いたします。
 是非ご覧ください。

<今号の目次>
  1. 12月11日のりこえねっとTV「NO HATE TV」のお知らせ
  2. 反レイシズム情報
  3. ヘイト街宣・デモ警報
  4. 新聞・雑誌記事・Webより
  5. 11月27日放送 のりこえねっとTVダイジェスト
  6. 編集後記

1.のりこえねっとTV「NO HATE TV」第76回「日本人へのヘイト?あるかボケ」

https://youtu.be/ZXxhLyIxw-s

 川崎市反ヘイト条例成立直前になってにわかに取り沙汰されてきた「日本人へのヘイトスピーチ」、あいちトリエンナーレでも多用されたこの屁理屈概念のどこがどう間違っているかを徹底解説。
 ほかに「朝鮮学校襲撃から10年」「ムサシ陰謀論の正体」「レイシスト・フレンド」ほか。

<出演者>
◆安田浩一(やすだ・こういち) ジャーナリスト。
◆野間易通(のま・やすみち) C.R.A.C.

【のりこえねっと】
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2.反レイシズム情報

★集会・デモ・セミナー・上映会などのお知らせを掲載します。
HPのトップページにある『お問い合わせ』から 日時、会場、タイトル及び内容、主催者、主催者の連絡先などを300文字以内でお知らせ下さい。
https://norikoenet.jp/about_us/contact_us/

1)南京大虐殺から82年 2019年 証言を聞く東京集会

〜世代を越えて戦争の記憶を受け継ごう〜

日時:12月11日(水)18:00開場18:30開始
会場:全水道会館(JR水道橋駅下車 東口白山通りを北へ右すぐ。地下鉄三田線水道橋駅A1出口)
証言:葛鳳瑾さん父・葛道栄と親類の受けた被害」(仮題)
日本兵の精神状態を示す「中国一般庶民」への殺害と暴力の状況:
講演:孫宅巍さん (歴史学者:江蘇省社会科学院研究員)
「悲壮な南京・防衛戦の真相」
資料代:1000円(18歳以下無料)
賛同:個人1000円 団体3000円
郵便振替:00170-3-87807 「南京」集会実行委員会
主催:南京集会東京実行委員会
問い合わせ:「ノーモア南京の会・東京」代表:田中宏
http://www.jca.apc.org/nmnankin/index-j.html

2)土砂投入強行から1年 許さない土砂投入!今すぐやめろ!辺野古埋め立て 防衛省前抗議アクション


沖縄の民意を無視して、政府・防衛省が海への土砂投入を強行してから1年。
ねばり強く抵抗を続ける現地の怒りの声も含め、首都圏で政府・防衛省に強く抗議するアクションを呼びかけます。市谷防衛省正門前に集まれ!

日時:12月13日(金)18:30~19:30
場所:防衛省前 JR・地下鉄「市ケ谷」「四ツ谷」駅7分
http://www.mod.go.jp/j/profile/mod_sdf/access.html
呼びかけ:辺野古の海を土砂で埋めるな!首都圏連絡会(埋めるな!連)
https://henokoumeruna2018.exblog.jp/
連絡先:辺野古への基地建設を許さない実行委員会
http://www.jca.apc.org/HHK/NoNewBases/NNBJ.html TEL 090-3910-4140
(沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック http://www.jca.apc.org/HHK/
・平和を実現するキリスト者ネット TEL&FAX 03-3813-2885
・辺野古・高江を守ろう!NGOネットワーク E-mail henokotakaengo@gmail.com

3)≪要申込≫国連・憲法問題研究会講演会  嫌韓ナショナリズムと植民地主義

――「慰安婦」・「徴用工」問題の研究を踏まえて

植民地支配の歴史にどのように向き合うべきか。朝鮮人「慰安婦」・「徴用工」問題の歴史研究を踏まえて、日本における「嫌韓世論」「植民地支配への無反省」を生み出す日本の歴史認識の問題点について、今田真人さんに講演してもらいます。

講師:今田真人さん(ジャーナリスト)
日時:12月14日(土)1:45開場14:00開始
会場:文京区民センター3階C会議室(春日駅・後楽園駅)
参加費:1000円(会員500円)要申込み
主催・連絡先:東京都北区田端1-23-11-201 研究所テオリア
TEL・fax03-6273-7233 email@theoria.info

4)市民パワーで沖縄差別、韓国ヘイトをぶっとばそう!安田浩一講演会

日時:12月14日(土)17:00開場 17:30開始
場所:教育福祉会館 (那覇市古島1丁目14-6) モノレール「古島駅」から徒歩4分
地図→ https://loco.yahoo.co.jp/place/g-9-YdGZWAGl2/map/
講師:安田浩一さん
司会:高里鈴代さん(基地・軍隊を許さない行動する女たちの会共同代表)
ゲスト:多嘉山健三さん「辺野古基地問題のデマとカウンター」
※入場無料
※駐車場スペースに限りがあるので、できるだけモノレール、バスでのご来場をお願いします。
共催:あつまれHENOKO&沖縄平和サポート
連絡先:沖縄平和サポート(稲葉)TEL 0980-55-2244
後援:琉球新報、沖縄タイムス

5)「あいちトリエンナーレ事件は何だったのか?」「何が『表現の不自由』をもたらすのか?」『ハトは泣いている』連続・連鎖上映会


映画『ハトは泣いている─時代(とき)の肖像─』(2017年制作・123分)

日時:12月14日(土)17:30~20:00
場所:横浜市神ノ木地区センター(JR横浜線 大口駅)
〒221-0015 横浜市神奈川区神之木町7-1(JR大口駅東口出口徒歩4分)
地図: http://cgi.city.yokohama.jp/shimin/chikucenter/map.php?m=m¢er=c04400
主催:映画「ハトは泣いている」の上映をすすめる会
連絡先:TEL070-4227-1549松本 045-479-1424 岩見

6)第16回12月集会 憲法と教育の改悪を許さない! ―学校現場と運動からの報告と山田朗さん講演会-

日時:12月14日(土)18:15開会
場所:文京区民センター 3A(東京メトロ「後楽園駅」都営地下鉄「春日駅」
〒113-0033 東京都文京区本郷4丁目15-14
地図→ https://loco.yahoo.co.jp/place/g-PjfG6ox_w5-/map/
内容:★第1部 学校現場と運動からの報告
・「働き方改革」? なぜこんなに忙しい-小中学校から
・これでいいのかオリ・パラ教育-特別支援学校から
・夜間定時制の灯を消さないで-都立高校から
・命令と処分の教育とたたかつて16年-「日の丸・君が代」裁判
★第2部 講演 山田朗さん(明治大学教授・歴史教育者協議会委員長)
「日韓問題の根本に何があるか-徴用工問題と歴史認識」
資料代:500円
主催:「12月集会」実行委員会
連絡先:河合 090-6137-0876
呼びかけ団体:学校に自由の風を!ネットワーク/教育を壊すな!市民と教職員東京ネットワーク ほか

7)徴用工問題と北東アジアの平和を考える


日時:12月14日(土)18:30~
場所:浦和コミュニティセンター
330-0055 さいたま市浦和区東高砂町11-1 10F
JR「浦和駅」東口 パルコ棟 9階 第15会議室
地図→ http://www.saitama-culture.jp/urawacom/access.html
お話:内田雅敏弁護士(強制労働問題、花岡・西松・三菱マテリアル他戦後補償問題に取り組む)
参加費:700円
連絡先:090-4373-0937(石垣)

8)『ヘイト・スピーチと地方自治体』出版記念会「レイシズムと闘うために――私たちの課題」


日時:12月21日(土)18:00~20:30
会場:東京しごとセンター 講堂 (東京都千代田区飯田橋3丁目10-3)
飯田橋駅(JR中央・総武線東口より徒歩7分/都営地下鉄大江戸線・東京メトロ有楽町線・南北線A2出口より徒歩7分/東京メトロ東西線A5出口より徒歩3分)
地図→ https://tokyoshigoto-young.jp/access
参加費(資料代含む):500円
プログラム:第1部 座談会「レイシズムと闘うために」
阿部浩己(明治学院大学教授)/安田浩一(ジャーナリスト)/前田朗(東京造形大学教授)
プログラム:第2部 リレートーク「反差別、反ヘイト、私たち」
主催:『ヘイト・スピーチと地方自治体』出版記念会実行委員会
連絡先:03-6268-9714(三一書房気付)

9)「あいちトリエンナーレ事件は何だったのか?」「何が『表現の不自由』をもたらすのか?」『ハトは泣いている』連続・連鎖上映会


映画『ハトは泣いている─時代(とき)の肖像─』(2017年制作・123分)

日時:12月22日(日)17:30~20:00
場所:横浜市都筑公会堂(地下鉄センター南駅)
〒224-0032 横浜市都筑区茅ヶ崎中央32-1都筑区総合庁舎内
(横浜市営地下鉄「センター南」駅下車約450メートル 徒歩約6分)
地図: http://都筑公会堂.jp/access
主催:映画「ハトは泣いている」の上映をすすめる会
連絡先:TEL070-4227-1549松本 045-479-1424 岩見
e-mail:l_continua@yahoo.co.jp

10)第16回特別展『朝鮮人「慰安婦」の声をきく~日本の植民地支配責任を果たすために~』

展示期間: 2020年3月末まで 開催中
展示場所:アクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」(wam)
〒169-0051 東京都新宿区西早稲田2-3-18 AVACOビル 2F
地下鉄東西線「早稲田駅」から徒歩5分
地下鉄副都心線「西早稲田駅」2番出口から10分
地図→ https://wam-peace.org/about/access
TEL 03-3202-4633/FAX 03-3202-4634
E-mail wam@wam-peace.org
URL http://www.wam-peace.org/
開館時間:水~日 13:00~18:00/休館日:月・火・祝日・年末年始
入館料:18歳以上 500円 18歳未満 300円 小学生以下 無料
※障がいのある方の付添いは無料です。

3.ヘイト街宣・デモ 警報

★★ カウンター行動(抗議行動)される際は十分お気をつけ下さい。★★
★★ 経験が少ない方は、複数での参加をお勧めします。 ★★
★★ 無告知のヘイト街宣にご注意ください ★★

1)日本第一党(長崎県支部)街宣

日時:12月14日(土)11:30~15:30
場所:佐世保市内各所

2)日本第一党(長尾旭) 街宣

日時:12/15(日)13:00~15:00
場所:四日市駅前 近鉄四日市駅西口「三交イン四日市駅前」西側歩道

3)「そよ風」街宣?

「群馬の森」朝鮮人犠牲者追悼碑裁判の傍聴とヘイトカウンターお願いします。
日時:12月17日(火)12:00~13:00(予想)
場所:東京高裁101号法廷にて第4回口頭弁論14:00~(傍聴券抽選13:20までに裁判所前)

4)遠藤修一 反グロ街宣

日時:12/19(木)19:00~
場所:新宿駅東口アルタ前

5)川東大了 デモ?

日時:12月29日(日)15:00~
場所:鶴橋
※防犯パトロールと称して性懲りもなく29日にやろうとしています。
くれぐれもご注意ください。

6)道添隆寛(元在特会)街宣

日時:1/19(日) 14:00~
場所:所沢駅西口

#ヘイト行動情報
もし街中で見かけたら、このタグをつけてツイートしてください。以下の情報があるとわかりやすいです。
  • 場所(駅・交差点名、目印の建物など)
  • 人数がわかる全景写真
  • 団体がわかる幟や弾幕の写真
  • 弁士の顔写真

4.新聞・雑誌記事・Webより

1)差別扇動に国も加担した「ヘイト問題」 問題の本質は「表現の自由」ではない

論座 11月28日

 平和の少女像――元従軍慰安婦を題材としたこの作品は、侮蔑され、罵倒され、貶められながらも、それにじっと耐え続けることで、日本社会の一部に確実に存在する無知も、醜さも、そして差別と偏見をも浮き彫りにした。
https://webronza.asahi.com/journalism/articles/2019112600006.html?page=1

2)ヘイトスピーチで名誉毀損、在特会元支部長に罰金刑判決

朝日新聞 11月29日

 ヘイトスピーチをしたとして名誉毀損(きそん)罪に問われた「在日特権を許さない市民の会」(在特会)元京都支部長の西村斉(ひとし)被告(51)に対し、京都地裁は29日、罰金50万円(求刑懲役1年6カ月)の判決を言い渡した
https://www.asahi.com/articles/ASMCW3W09MCWPLZB007.html

3)「中国人は採用しません」と投稿した東大特任准教授が謝罪

ハフィントンポスト 12月1日

 東京大学大学院情報学環・学際情報学府で特任准教授を務める大澤昇平さんが12月1日、Twitterで「当職による行き過ぎた言動が、皆様方にご迷惑、不快感を与えた点について、深く陳謝します」と謝罪した。
https://www.huffingtonpost.jp/entry/daisy_jp_5de352e2e4b00149f7305733?ncid=other_twitter_cooo9wqtham&utm_campaign=share_twitter

4)ベルギーのカーニバル、世界遺産の登録取り下げ 反ユダヤ主義の山車めぐり

AFP 12月2日

 今年3月、かぎ鼻の正統派ユダヤ教徒の人形と、金袋の上に乗るネズミを描いた故意的な反ユダヤ主義の山車がカーニバルに登場したことを、アールストのクリストフ・ダーゼ(Christoph D'Haese)市長が擁護。これを受けて論争が巻き起こっていた。
https://www.afpbb.com/articles/-/3257600

5)社説:ヘイトスピーチ 実態見つめ罰則議論を

京都新聞 12月7日

 子どもたちが学ぶ京都朝鮮第一初級学校(京都市南区、閉校)に、差別を煽動するヘイトスピーチが浴びせられた事件から10年。
https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/94414

6)ヘイト街宣に痛烈非難 罰則条例成立目前の川崎で

神奈川新聞 12月8日

 ヘイトスピーチを繰り返す人物や団体に刑事罰を科す全国初の条例が成立しようとしている川崎市で7日、極右政治団体・日本第一党が8回目となるヘイト街宣を行った。
https://www.kanaloco.jp/article/entry-213788.html

7)「沖縄は、日本のフェイクニュースの最前線」 メディアの世界会議でファクトチェックを報告

沖縄タイムス 12月8日

 世界的にも人気の観光地として知られる一方、選挙のたびに基地問題が焦点になっている現状や、ヘイトスピーチなどにもさらされていることを説明。
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/508008

8)メルケル独首相、アウシュビッツ初訪問 「深き恥」表明

AFP 12月8日

 メルケル氏はまた、ドイツでは近年、ユダヤ人などに対するヘイトクライム(憎悪犯罪)が「憂慮すべき水準」に達していると語り、「反ユダヤ主義と闘うためには、絶滅収容所の歴史が共有され、語られる必要がある」と指摘。
https://www.afpbb.com/articles/-/3258554

9)「差別禁止条例」案が市議会委員会で可決 川崎

テレビ神奈川 12月9日

 川崎市が制定を目指すヘイトスピーチを含む差別を禁止する条例案が9日、市議会の委員会で可決されました。
http://www.tvk-kaihouku.jp/news_wall/post-5301.php

10)求められる法整備/ネット上「野放し」の人権侵害

朝鮮日報 12月9日

 「不当な差別的言動は許されない」ことを明記した「ヘイトスピーチ解消法」が3年前に成立し、自治体などでも条例などでヘイトクライム(憎悪犯罪)に対応しようとする動きが進む中、「野放し状態」になっているのが、インターネット上のヘイトスピーチだ。
http://chosonsinbo.com/jp/2019/12/khj-66/

5.NO HATE TV 第75回「その人工知能はあなたを差別する」

https://youtu.be/f1wyTs05uEw

沢木耕太郎どうした?

 バックパッカーだった安田さんが、11月24日経新聞文化欄に載った沢木耕太郎のエッセイ「午後の異邦人」について語ります。
 外国人ばかりのバスの中で「あらためてその外国人律の高さに茫然としてしまった」「多くの外国人が入り込んでいるということに軽い衝撃を受けた」「私が危惧するのは、日本人がそうした未知の緊張感にたえられるだろうかということである」「異和の感情の暴発が起こらないだろうか」唖然とされる外国人の立場は?外国籍住民が日本籍住民を上回るところもある。緊張感を強いられるかというとそんなことはない。軋轢もありトラブルもどこでもあるわけで、外国人の存在を「緊張感」と結びつけてしまうことはある種のゼノフォビアでは? 例にあげている「フランス人」の顏だって今は多種多様。古い考え方。治安の悪化を連想させるような表現。日本人と外国人の緊張が増す、分断が加速する、社会の治安が悪くなるという通俗的な議論が用いられるが、それこそ 「異和感」以外の何物でもないし明確なゼノフォビア、一番そこが許せない、と語ります。

 賢いリベラルであるほど、こうした「危惧」をしてしまうゼノフォビアが多い、と野間さん。

 推論でしかなく通俗的な書き方。エッセイだからと言って、外国人の問題として考えた場合に憎悪を植え付けることも差別を煽ることも、偏見を植え付けることも可能だということを意識することが重要では?しかも新聞という公器を使っている。今回がっかりしました、と安田さんが言います。

川崎市反ヘイト条例

 川崎での25日の集会に参加した野間さんが話します。
「野獣のように」パブコメを送った結果、過去最多、ヘイト罰則条例に1万8千通で60%以上の賛成を受けて25日に条例案が提出されました。「川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例」です。罰則として50万円以下の罰金刑、スリーアウト制で1回目勧告、2回目命令、3回目で氏名団体目の公表、市が検察庁か警察に告発というものです。集会で師岡康子弁護士は「前回の素案よりもよいものになった、人種差別撤廃条約に加盟して24年経って初めて刑事罰をともなった条例ができる、始めて日本で人種差別が犯罪になった、画期的」と話しました。有田芳生さんは「路上に出ないとわからないことがある、それをきちんとやったからこそ条例として法律になる」と語りました。

 人種差別撤廃条約に対し日本は「深刻な差別は存在しない」「表現の自由」があるから法制定はしないと押し切ってきた。2016年の反ヘイト条例には罰則規定はない。香川県の観音寺市は「行政罰」をヘイトスピーチに適用するが川崎市はさらにその上の「刑事罰」。 明確に犯罪と断じてかまわないという大きな前進だと思う、と安田さんが語ります。12月12日に採決が予定されています。

 自民党も積極的なので全会一致で行きたい。今、市に対するネトウヨが反対の嫌がらせがひどいようなので川崎市へ意見を言ってあげてほしい。サンキューコールかわさき044-200-3939まで、と野間さん。

その人工知能はあなたを差別する

 大澤昇平(おおさわしょうへい)氏が「弊社Daisyでは中国人は採用しません」「そもそも中国人って時点で面接に呼びません。書類で落とします。」「中国人のパフォーマンス低いので営利企業じゃ使えないっすね」などとツイート。差別です。ガイドライン違反。東大のエラい人、准教授らしいんです、と野間さん。
 「AIのラーニングの結果として差別に生まれるのであればそれは自然の摂理です」と。

 寄付講座とは、企業がスポンサーとなって大学内に講座を設けるもの。批判者が問題視しているのは、東大でこういうレイシストを雇うのはあり?ということ。三浦瑠璃という前科もある。権威である東大が肩書きを与えてるのだから責任はある。東大はすぐにコメントを出しましたが、正規の教員ではないが不快な思いをされたとしたらごめんなさい的なダメ謝罪。東大の先生でもわかんないんだな。個々の先生はまっとうな反応をしている人もいて擁護する人はいないけれども、と野間さん。
 そうこうしている内にマネックスグループから見解が出て、寄付講座の寄付を止めますと。またオークファンという会社、博報堂も寄付を止めるとの見解を出して、すべての寄付が停止になったようです。東大から言っていったような気もしますけど。
 中国に住んだのだって3か月で、ラーニングできないだろうと。「醜いアヒルの子」理論も結局人間の主観。単なる偏見にすぎないのがバレバレ。AI研究者としてマズイと思う、と野間さんが続けます。

 そもそも主観を交えることなく中立的な推論があるべきだがある種の偏見がAIの中から生じてくるのじゃないか、と安田さん。

 人工知能学会が出した倫理指針です。
 「人工知能が人間社会にとって有益なものとなるようにするために(略)良心と良識に従って倫理的に行動」「社会の様々な声に耳を傾け社会から謙虚に学ばなければならない」「人工知能研究者自身の倫理観を発展させ深めることについて不断の努力を」とあり、
 人類への貢献として「基本的人権と尊厳を守り、文化の多様性を尊重する」、法規制の遵守として「他者に危害を加えるような意図をもって人工知能を利用しない」、公正性として「人工知能が人間社会において不公平や格差をもたらす可能性があることを認識し」「差別を行わないよう留意」、誠実なる振る舞いとして「社会に対して誠実に信頼されるように振る舞う」社会に対する責任として「潜在的な危険性については社会に対して警鐘を鳴らさなければならない」、社会との対話と自己研鑽として「人工知能学会会員は、社会には様々な声があることを理解し、社会から真摯に学び、理解を深め、社会との不断の対話を通じて専門家として人間社会の平和と幸福に貢献することとする。」、人工知能への倫理遵守の要請として、「人工知能学会員と同等に倫理指針を順守できなければならない」

 アシモフの「ロボット三原則」に似たようなものですね、と野間さん。大澤氏の言っていることは「ロボット三原則」からやり直さなければいけないくらいひどい、と言います。レイシズムは是か非か、と言うこと自体だめ。非に決まっているのに思考停止はよくないとか言ってる。

 わからない以上に危機感が強いのは、データに含まれた潜在的な特徴だけをとらえて効率的な判断を生み出すという回路そのものに信頼がおけない、処理に対する不信があるし。エントリーシートでの選考をAIで行う企業が出てきていて、差別的なバイアスがかかってしまう。逆にAIが偏見を生み出す装置として機能してしまうのでは、と安田さんが懸念を示します。

 それが自然の摂理だと、どういうデータを食わせるかという判断で客観性を認識できていないということになる、と野間さん。

 FBIの犯罪者再犯率予測のアルゴリズムがあって非常に危険と安田さん。

 「パフォーマンスの有無から逆算したら、たまたま住んでるところで差が出ただけですね」との大澤氏のツイートも客観的なデータかどうかも判断できないことがわかると思う、と野間さん。自分が中国人を雇いたくないことを正当化するためにAIを織り交ぜてしゃべるのは事実に対する冒涜であり、AIはそんないい加減な判断はしない。

 著作買いました、と野間さん。「世の中は弱肉強食」「物事の評価基準はどれだけ金を集められるか」資本主義はカネという尺度ですべて計れると。ものから国家からすべてを比較できる。資本主義は自立分散型システムである。資本主義は進化論的に言うと勝ったシステムである、と言っている、と野間さんが解説します。

 レイシズムという観点がすっぽり抜け落ちている、と安田さんが言います。大きな誤りを前提とすると、大澤氏の言っていることすべて崩れてしまう。

 未来予測という観点から言うと全然データが足りてない。彼の世界観はたぶん結果論。ネオリベ的、ネトウヨ論みたいなよくあるパターン。サイバーダーウィニズム、と野間さん。「予想されていた」危険なやつという感じ。批判を怖れず強靭なメンタルで自分はファクトベースでロジカルシンキングしている、旧来の道徳観の批判をしているつもり、と野間さんが言います。

 ただのアルゴリズム信者、と安田さんが一言。

 こういうものが理論・倫理基準としてあると結構危険、と野間さん。以前ツイッターのヘイトBOT「Tay」が1日で9万ツイートして閉鎖。「ヒットラーは正しかった」「フェミニストなんて死んで地獄で焼かれろ」と10数時間でヘイトスピーチばかりに。何を食わせるかによっていかようにも変わるという壮大な実験。マイクロソフトは想定してなくてお詫び文を出した。危険性を示唆する重要な教訓になったが大澤昇平にはまったくこの教訓が活かされてない、と野間さんが笑います。2012年ころはこんなじゃなかったから、遅く学習したTayだったんだ。安倍政権の7年間です。大澤自体が変なデータを食わされたAIだったんじゃないか、というオチで。

 また、ZoというフェイスブックのBOTがあります。ヘイトスピーチはしないけど一切の政治的な話をしないBOTになっちゃった。ポリティカル・コレクトすぎて、一切なにも扱えないようになってしまった。

 人工知能学会の倫理基準に大澤さんが全部違反していることも含めて、悪いやつが本気でやったら大変なことになるのではという感じを持ちました。

 結論として、
 「大澤昇平は国を救う前に、以下の3点について神経をとがらせ、強化学習でディ~~~プにラーニングしてから出直せ。1.中卒程度の世界史 2.中国の文化と経済 3.マイノリティ・スタディーズ」。
 ディープラーニングしてください。この言葉を差し上げます。
 今回機材のトラブル続きですみませんでした、との野間さんの言葉で終わります。
(まとめ・文責:のりこえねっと事務局)

6.編集後記

 先日のヘイトスピーチの件で大澤昇平氏は「お詫び」を出されたようですが、その理由に「過学習のせい」というのがあり大変怪訝に思ったわけです。学習はすべきもの、というポジティブ一般市民ですが、学習が過ぎてもやはりよろしくないのですな(多分まったく意味が違うと思うけど)。学びが足りていないのではと感じている常日頃、野間さんと安田さんのNOHATETVを観て適度な学習をいたしましょう。(お)
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