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■■■■■ -ヘイトスピーチとレイシズムを乗り越える国際ネットワーク-
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■■■ のりこえねっと通信0225号2020年1月22日発行
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■ ◆転送歓迎◆
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★配信専用アドレス[ mailmag@norikoenet.jp ]よりお送りしております。

 賛同者の皆さま のりこえねっと通信をお読みの皆さま
新しい年を迎えたばかりなのに、川崎ふれあい館にはヘイト年賀状が。また、先日所沢でヘイトデモが行われました。カウンターの皆さまお疲れさま。はがきは犯人を突き止めるのが難しいと聞きますがなんとか突き止めてほしいものです。
 この春、のりこえねっとTVはリニューアルを予定しております。
 新しい年を迎えて、ますます酷いヘイト、レイシズムに対して問題提起をして行きたいと思っています。
 内容は改めてご案内いたします。ご期待ください!

さて、本日8日午後8時からはのりこえねっとTV NO HATE TV 第79回「ヘイトと法曹」
ぜひご覧ください。

<今号の目次>
  1. 1月22日のりこえねっとTV「NO HATE TV」のお知らせ
  2. 反レイシズム情報
  3. ヘイト街宣・デモ警報
  4. 新聞・雑誌記事・Webより
  5. 1月8日放送 のりこえねっとTVダイジェスト
  6. 編集後記

1.のりこえねっとTV NO HATE TV 第79回
「ヘイトと法曹」



川崎市条例の成立によってヘイトスピーチの法規制が次の段階に進んだいま、特定の表現を法で規制する意味について再考します。特に、リベラル法曹界はなぜ法規制に反対するのか、という論点を中心に。

<出演者>
◆安田浩一(やすだ・こういち)
ジャーナリスト。労働問題、差別、人権問題などを中心に取材・執筆活動を続けている。著書に『ルポ 差別と貧困の外国人労働者』(光文社)、『ネットと愛国』(講談社)、『団地と移民』(KADOKAWA)など。最新刊は『愛国という名の亡国』(河出新書)。Twitter:https://twitter.com/yasudakoichi

◆野間易通(のま・やすみち)
C.R.A.C.メンバー。著書に『「在日特権」の虚構』『実録・レイシストしばき隊』(河出書房新社) など。

[NO HATE TV]
Twitter:https://twitter.com/nohatetv
Facebook:https://www.facebook.com/nohatetv
[のりこえねっと] 公式サイト: https://norikoenet.jp/ Twitter:https://twitter.com/norikoenet Facebook:https://www.facebook.com/norikoenet

2.反レイシズム情報

★集会・デモ・セミナー・上映会などのお知らせを掲載します。
HPのトップページにある『お問い合わせ』から 日時、会場、タイトル及び内容、主催者、主催者の連絡先などを300文字以内でお知らせ下さい。
https://norikoenet.jp/about_us/contact_us/

1)写真展「となりの宋(そん)さん」& 梁 澄子(ヤン・チンジャ)さん講演「日本軍慰安婦制度と性暴力」ほか

写真展「となりの宋さん」
日時:
1月23日(木)・24日(金)13:00~20:00
1月25日(土)11:00~20:00
1月26日(日)11:00~17:00

イベント(講演のタイトルは仮題)
日時:
1月24日(金)18:00~20:00 講演「日本軍慰安婦制度と性暴力」梁 澄子(ヤン・チンジャ)さん(希望のたね基金)
1月25日(土)13:00~15:00 講演「日韓関係と植民地支配」吉澤文寿さん(新潟国際情報大学)
1月26日(日)13:00~16:00 映画「オレの心は負けてない」+川田文子さん(作家)のお話「宋さんの遺したもの」

会場:
たましんRISURUホール(立川市民会館)展示室B1F(東京都立川市錦町3-3-20)
JR中央線「立川駅」南口より徒歩13分/JR南武線「西国立駅」より徒歩7分/多摩モノレール「立川南駅」より立川南通りを直進。徒歩12分/立川バス「立川駅南口」4番乗り場より「国立駅南口」行き乗車「たましんRISRUホール」下車。
地図→ https://tinyurl.com/w5ezc8t
参加費:無料
主催:となりの宋さん写真展・立川実行委員会
お問い合わせ:sonsan2020@yahoo.co.jp /080-4624-3935(谷口)
案内→ https://hansenbira.blog.ss-blog.jp/2019-10-05-1

2)≪要予約≫コリアン・マイノリティ研究会第191回月例研究会

「「猪飼野」という文学空間について-宗秋月(チョン・チュオル)の文学活動を中心に-」

案内→ https://sepparam-bunko.jimdofree.com/

講師:ジュリア クラークさん(カリフォルニア大学ロサンゼルス校博士課程/日本大学研究員)
日時:1月25日(土)18:00~20:00
場所:猪飼野セッパラム文庫
地図→ https://sepparam-bunko.jimdofree.com/アクセス/
参加費:800円・学生無料
※要予約→ masipon@nifty.com
主催:コリマイ研(猪飼野セッパラム文庫内)

3)さいたまレインボーパレード

 レインボーパレード・スポーツグランプリ・第4回LGBT成人式式典・交流会など。年齢・性別・セクシュアリティ問わずどなたでも参加可能です。ドレスコードは「あなたらしい」格好!

日時:1月25日(土)9:00集合9:30~18:30
会場:ウェスタ川越 川越市新宿町1-17-17(東武東上線川越駅より徒歩3分)
主催:虹色の式典 in 彩の国さいたま実行委員会
後援:埼玉県・さいたま市はじめ21市町・連合埼玉
https://lgbt-saitama.wixsite.com/lgbt-saitama



4)≪要予約≫私は本屋が好きでした 『まちの本屋と「ヘイト本」のジレンマ』

日時:1月25日(土)13時開場/13:30~15:00終了予定
会場:こいしどう書店( 神奈川県横浜市港北区菊名1丁目7?8/石堂書店・別館)
参加費:1500円(ワンドリンク付き)
登壇者:永江朗(ライター/『私は本屋が好きでした』著者)
石堂智之(石堂書店 店長)
中岡祐介(三輪舎 代表/まちの本屋リノベーションプロジェクトメンバー)
主催:石堂書店
共催:太郎次郎社エディタス
申込:店頭にて直接またはPeatix(オンライン予約)にてお申し込みいただけます
https://ishidoshoten20200125.peatix.com/

5)シンポ 在日の人権は今――私たちに問われていること

日時:1月26日(日)14:00~16:00
場所:調布市文化会館 たづくり 10階 1001(東京都調布市小島町2-33-1)
京王線「調布駅」広場口から徒歩4分
地図→ https://tinyurl.com/v7u3nxo
講師:崔江以子さん/趙少曦さん/坂内宗男さん
参加費:500円
問合せ:080-5412-9386(坂内)
参照:http://www.kinyobi.co.jp/event/20200117_002957.ph

6)主権者として生きる part3

日時: 1月25日(土)・26日(日)
会場:狛江市中央公民館ホール(B1F)
参加費(資料代):500円(半券があれば二日間入退場自由)※高校生以下、介助者無料
主催:NPO法人多摩住民自治研究所/社会教育推進全国協議会三多摩支部/狛江市民が学ぶ会
後援:狛江市/狛江市教育委員会/狛江市社会福祉協議会
申込み・問合せ:多摩住民自治研究所 TEL:042-586-7651 /FAX:042-514-8096
 mail: tamajitiken1972@space.ocn.ne.jp
狛江窓口:大熊啓(おおくま・あきら)TEL:090-9808-2810
M.A.P.でもお問合せ・御予約を受け付けております。TEL:03-3489-2246
※手話通訳、要約筆記(文字通訳)キッズスペース、授乳スペースあり
【タイムテーブル】
1/26(日)
■第3楽章
10:00〜
キタコマ映画祭×米内山昭宏 ~短編映画「方言札」を見ながら~
なぜ沖縄映画祭なのか、字幕を付けるということ ~映画祭の実行委員長が語る
12:00(昼食休憩)
■第4楽章
12:50〜
  • トーク7:大学生が真剣に考えてみたジェンダー 一橋大学佐藤文香(ゼミ生)
  • トーク8:自分らしい性で生きる 上川あや(世田谷区議会議員)/中山貴将(NPO法人 性同一性障害支援機構理事長)
  • トーク9:まちのおばちゃん達がつくってしまった!
    • 映画「みんなの憲法」こぼれ話/羽村幸子(憲法を勉強する会代表)
    • 中学・高校と憲法を学んで 高校生憲法学習”てげてげ”
  • トーク10:子どもたちの居場所と学ぶ権利 前田かおり(フリースクールKOPIE代表)
    • 空き家を活用した多世代交流の居場所の実践 梶川朋(comarch)
16:25〜
発言者たちと参加者とのディスカッション
■終章~エピローグ
17:25〜
まとめディスカッション
池上洋通(多摩住民自治研究所理事)/山家利子(市民活動サポートセンター”アンティ多摩”)/伊藤智代子(小金井市公民館貫井北分館 副分館長)/安江真人(狛江市公民館長)/Conductor:大熊 啓(狛江市民)
(18:30 終了予定)

7)第16回特別展『朝鮮人「慰安婦」の声をきく~日本の植民地支配責任を果たすために~』

展示期間:3月末まで 開催中
展示場所:アクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」(wam)
〒169-0051 東京都新宿区西早稲田2-3-18 AVACOビル 2F
地下鉄東西線「早稲田駅」から徒歩5分
地下鉄副都心線「西早稲田駅」2番出口から10分
地図→ https://wam-peace.org/about/access
TEL 03-3202-4633/FAX 03-3202-4634
E-mail wam@wam-peace.org
URL http://www.wam-peace.org/
開館時間:水~日 13:00~18:00/休館日:月・火・祝日・年末年始
入館料:18歳以上 500円 18歳未満 300円 小学生以下 無料
※障がいのある方の付添いは無料です。

3.ヘイト街宣・デモ 警報

★★ カウンター行動(抗議行動)される際は十分お気をつけ下さい。★★
★★ 経験が少ない方は、複数での参加をお勧めします。 ★★
★★ 無告知のヘイト街宣にご注意ください ★★

1)日本第一党桜井誠 東京新聞本社前 街宣

日時:1月25日(土)12:30~13:30 朝日新聞社前 14:00~15:00 東京新聞本社前
場所:朝日新聞東京本社前
東京新聞本社前(千代田区内幸町2-1-4)

2)在特会・愛国会

日時:2月6日(木)13:30~16:30
場所:衆議院第一議員会館 大会議室にて集会。デモは3月8日とのこと。

#ヘイト行動情報
もし街中で見かけたら、このタグをつけてツイートしてください。以下の情報があるとわかりやすいです。
  • 場所(駅・交差点名、目印の建物など)
  • 人数がわかる全景写真
  • 団体がわかる幟や断幕の写真
  • 弁士の顔写真

4.新聞・雑誌記事・Webより

1)「差別、許されない」東大特任准教授の解雇に対し、学生が思うこと

Buzzfeed 1月15日

 「中国人は採用しません」などツイートで発言し、問題となっていた大澤昇平特任准教授に懲戒解雇の処分が発表されました。学生ら関係者に話を聞きました。
https://www.buzzfeed.com/amphtml/sumirekotomita/hate-speech?utm_source=dynamic&utm_campaign=bfsharetwitter&__twitter_impression=true

2)川崎市はなぜ差別に刑事罰を科したか

共同通信 1月15日

 ヘイトスピーチ対策として全国初の刑事罰を盛り込んだ差別禁止条例が2019年12月12日、川崎市議会で成立した。
https://this.kiji.is/588217403851211873?c=39546741839462401

3)「極東のこだま」人種差別投稿に罰金30万円 謝罪も「ヘイトではない」主張

毎日新聞 1月16日

 ツイッター上で「極東のこだま」と名乗る匿名アカウントを使い、川崎市在住の在日コリアン3世、崔江以子さん(46)への人種差別的なツイッター投稿を繰り返し、名誉を傷つけたとして、川崎区検は昨年12月、神奈川県迷惑行為防止条例違反で藤沢市の男性(51)を略式起訴し、川崎簡裁は罰金30万円の略式命令を出した。
https://video.mainichi.jp/detail/video/6123072309001

4)差別防げなかったヘイトスピーチ対策法

共同通信 1月16日

 ヘイトスピーチ対策法施行から3年以上が経過した今、川崎市はなぜ、全国初となる刑罰をヘイトスピーチに科したのか。
https://this.kiji.is/589696657665541217?c=39546741839462401

5)どうするネットでの差別対策

共同通信 1月17日

 全国初の刑事罰を備えた川崎市の差別禁止条例は、審議でさまざまな議論がなされた。
https://this.kiji.is/590037144033412193

6)「過学習で差別」はデタラメ? 問題ツイート受けAIの公平性を専門家が議論

日経×TECH 1月17日

 「このシンポジウムを企画したのは、ある『AI研究者』の差別発言がきっかけだった」。
https://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/column/18/00001/03480/?n_cid=nbpnxt_twbn

7)Twitter、ヘイト集団をターゲットとする広告を許す不具合で謝罪

CNET Japan1月17日

Twitterのヘイトスピーチ対策が十分でないとして、同社への批判が高まっている。
https://japan.cnet.com/amp/article/35148110/?__twitter_impression=true

8)脅迫はがきの影響か 川崎市ふれあい館で利用者が減少

神奈川新聞 1月17日

 川崎市の多文化交流施設「市ふれあい館」(川崎区)に在日コリアンの虐殺を宣言する脅迫はがきが届いた問題で、同館の利用者が急減していることが17日、市への取材で分かった。
https://www.kanaloco.jp/article/entry-245998.html

9)大阪市の反ヘイト条例は「合憲」 初の判断 大阪地裁

毎日新聞 1月17日

ヘイトスピーチをした団体や個人名の公表を定めた大阪市の抑止条例は表現の自由を侵害し違憲だとして、市民8人が当時市長だった大阪府の吉村洋文知事に、関連する公金支出計約115万円を返還するよう求めた住民訴訟の判決で、大阪地裁は17日、合憲と判断し、請求を棄却した。
https://mainichi.jp/articles/20200117/k00/00m/040/176000c.amp?__twitter_impression=true

10)「五輪開催国でヘイトスピーチなどもってのほか」 補助員として学んだ五輪精神 寺島善一さん(74)

毎日新聞 1月19日

大学生の時、1964年東京五輪陸上競技で練習グラウンド補助員を務めた明治大名誉教授の寺島善一さん(74)。
https://mainichi.jp/articles/20200118/k00/00m/050/251000c

5.1月8日放送 NO HATE TV 第78回「新春放談:2020年代をどんな時代にするか」

https://youtu.be/x4Pzc1ge1us

 ヘイトの嵐が吹き荒れた2010年代を経て、20年代の日本と世界はどんな方向に向かうのか。
 お正月、静岡県磐田のヒップホップグループGREEN KIDSの取材でしゃべりがラップ調の安田浩一さんと野間易通さんが縦横無尽に放談です。

ヘイト指揮者

 指揮者で東京芸大の講師千葉芳裕さんがツイッターでヘイトスピーチ。どこの業界でもネトウヨがいますが音楽関係の人のネット上でのヘイトスピーチ意外と多い、と安田さん。
 ネット見てたらこうなったというヘイトスピーチ。東京芸大ですよ。全体的に知性が低くなってる。このまま逃げ切るつもり、と野間さんが言います。
ヘイトスピーチのコード進行を断ち切らなければ!と安田さん。

「私は本屋が好きでした」永江朗著

 出版(太郎二郎社エディタス:1,600円+税)を機に「今“本屋”で『ヘイト本』と向き合う」という集会、トークイベントがあります。1月12日 石橋毅史さん、1月26日武田砂鉄さん、2月24日深沢潮さん。
 書店員、編集者、書き手、様々な立場への取材を重ねて書かれていて私も出てきます、と安田さん。いくつかの書店から「表現の自由だ」との声もあると。絶望しつつも本屋はまだできることがあるのでは、取り組みが始まったばかり。さまざまな取り組みを知ってほしい、と安田さん。
 書店の裏事情など解説しつつ批判している本とのこと、と野間さん。

やまゆり園 虐殺事件初公判

 被告は途中で退廷させられた。弁護側は心神喪失で無罪主張。たくさんの人と接見しており自分が悪い事をしたと思っていない。「重度障害者は存在自体が不幸になる、莫大なお金と時間がかかる、意思疎通ができない人は必要ではない」と公に言った人はいなかったのでそれが自分の功績だと。責任能力がないと言ってほしくない正しいことをしたのだから、としていたが、「心神喪失」で争う方向。
 気になるのは、安倍首相への手紙をメディアはあまり取り上げないこと、と野間さん。

 これがヘイトクライムであるという言及が少なかった、と安田さん。これは明確に優生思想。批判していかなければ。

 杉田水脈の「生産性」発言、生活保護バッシングもつながっている。安倍晋三に訴えたかったということ。植松被告の中では筋道が通っていること。山本太郎の支持者の「最大多数の最大幸福です」と植松の主張は同じ。「功利主義」です。大多数の人が不幸であれば少数の人がそのために切り捨ててもかまわないという考え方に陥りがち。今の個人主義・民主主義・個人の尊厳という観点からは言わない方がいい、と野間さんが言います。

川崎・ふれあい館に脅迫年賀状

 軽い気持ちでやっているのだろうが、心が極限まで汚いと自分で思わないのだろうか、と野間さん。刑事事件的な捜査をしてもらわないと。それをまた吉田康一郎などは「意外な人が犯人かもしれませんよ」などとすべてをヘイトのネタにしようとしている。

 チマチョゴリ切り裂き事件でもそう。自作自演説が出てくる、と安田さん。
 犯人が捕まらなかったから日本人が犯人だとは限らないではないかというのは屁理屈、と野間さん。反ヘイト条例が通ったことへのあてつけとしてこういうことが起きている。

極東のこだま こと池田茂幸に罰金刑

 略式起訴され名誉棄損で罰金30万円は軽い、と野間さん。

 あまりにも長くかかりすぎたしこれは単なる迷惑行為ではないことをきちんと論じなければ、と安田さん。

 野間さんが語ります。「極東のこだま」のアイコンはロバート・ジョンソン。黒人差別などに本来は意識が高いはずのブルース愛好家がなんで?と。今から考えるとパンクも黒人音楽好きもヘイトスピーチしまくりだから音楽ちゃんと聞いてなかったんだなと(笑)。もともとリベラルが、こじらせてネトウヨへの道へ。典型的。
 川崎の反ヘイト条例はネット上は対象外。ヘイトスピーチ解消法を改正するとか刑事罰を加えるなどしていかないと、ここまで崩壊してしまったら理念法では無理、と言います。

 被害の量産を防ぐこと、理性に依存しても何も変わらない。そのための条例、法律だと思う、と安田さん。

 ヘイトスピーチを言う人は理性的だと自分で思っている。ネットで本音を言う方が理性なんだと。ざっくばらんに表現の自由として表に出して議論することが正しさなんだと、それを破たんさせたのがインターネットだったのでは? でかいパラダイムシフトをしなければいけない、と野間さんが語ります。

五十六パパこと津崎直道、神原弁護士を提訴

 ヘイトスピーチ解消法施行直後の2016年6月5日の武蔵小杉駅周辺でのヘイトデモの映像です。今頃これを訴えている。京都朝鮮学校と同じ人権侵害ではないかとの主張です、と野間さん。

 訴状を書いたのは、京都朝鮮学校弁護団であった江頭節子さん、と安田さん。なぜこうなったのかわかりませんが驚きです。

 神原さんは激怒。でもありうるかなと野間さん。法曹界はヘイトスピーチ条例の時もほとんどが反対。在日コリアンでも法規制に反対してた。憲法学者も。変わっては来ているが今でもたくさん。左派は基本的に言論の法規制に反対。むしろ僕らが特異なことを言っていて新しいといえば新しい。法律に照らしてしか判断できないから法治主義なんだということを特に左派は理解しない。弾圧されてきた歴史があるから。共産党柔軟。レクチャーもしてだんだん変わっていった。現場に来ると変わる。西田昌司でさえそうなんだから。
 江頭さんはこれが正しいと思って入ってると思う、と野間さん。

 自分の弁護士生活の中で誠実さという点でご自身の中でどう整合性をつけるのか見えてこないと安田さん。
 あらゆる社会運動だめということになる、と安田さん。

 どっちもどっち論との最終対決を江頭さんと神原さんで最終対決をやるべき。五十六パパはどうでもいいから、と野間さん。第1回は1月21日午後2時。横浜地裁川崎支部で行われます。

#鶴橋安寧

 ここから放談です。川東大了は鶴橋でビラ配りもできず。2009年7月から鶴橋でヘイトデモ。拉致被害者を反せデモをやってるが、韓国人に言うのは筋違い。年々カウンターデモをやっていて川東は今年ついに来れなくなった。法律があれば仮処分申請をしなくてもいい。法がないと止められない。実際に止まっているという実績があることを法クラの人たちに言いたい、と野間さん。

 テン年代は喜ばしいものが一つもなかった、と安田さん。被害を量産させる10年間だったし量産に加担したのが法曹界とメディア。自力更生だけに頼って社会としての圧力を何も加えず、圧力を加えようとするものを傍観していた。
一つの成果としては理念法であるけれど法律ができた。ヘイトスピーチはいけないよねという最大公約数を社会に求めた法律。昨年末には川崎で条例が。破壊から再生へと向かう10年間、きちんと再生へと向かうかわからないけれど。それが問われた10年間だったと思いますと語ります。

 2010年代のさらに前の10年は911のワールドトレードセンターの攻撃から始まりイラク戦争があった。似たようなことが今も続いている。911のころはアメリカでイスラモフォビアが大きくなった。今回のイランの将軍の殺害で、カナダからアメリカに戻る米系イラン人が足止め。似たようなことが起きている。アメリカは意外と不寛容なんだなと思ったのが911、と野間さん。

 アメリカ行ったら星条旗が氾濫してた。むき出しのナショナリズムと思ったと安田さん。今回、健全はアメリカの民主主義が機能しているかな。

 今まで被害がないから。911が特異だったのはアメリカ本土が初めて爆撃されたことでショックを受けた。イラク戦争の時にフセインは独裁者のイメージ。ニセの証拠で拘留でイラクはずっと混乱。独裁がもたらす安定は起きがち。シリアも2010までそうだった。アラブの春にシリアの民衆がデモしているだけなのに警察が水平に実弾を撃った。アサド独裁への抵抗運動は立ち上がったところでつぶされた。そこに IS がガーッと。日本でもヘイトだらけになったが、海外でも IS みたいなのが。IS をつぶすのが正義かというとそうでもなく ISをつぶす側も悪いという悪の三つ巴、四つ巴のひどい状況だった。

 ソレイマニという人が殺された時にアメリカ帝国主義的なものがまた中東に介入という意見が特に左派から出て来勝ちだけど、イラン人はめちゃ喜んでる。

 ソレイマニは特殊部隊の人でテロリスト。アサドと一緒に民間人を虐殺しまくっている。香港も同じ。トランプ有難うと。中国共産党との関係を考えると当然のことで、そこではアメリカの自由の象徴としてトランプがいるというややこしい世界になったなと思う、と野間さん。

 イスラムは浸透した。僕ハラールの写真とってインスタにあげてる。ハラールラーメンてのを関西で見つけてインスタにあげてる。1991年か1992年にハッラールフードという店があって海賊ビデオがベンガル映画だったりイラン映画だったりがあった。中東やムスリムの人がすごく増えたし、立ち位置も変わった。

 ムスリムをどこで見たかというとソ連の消滅直前です、と安田さん。アフガニスタンで対共産圏という目的でアメリカを中心とした資本主義陣営は、アフガンゲリラに全面的に資金援助、武器援助をした。タリバンと呼ばれた人々は西側諸国が対ソ連対共産圏対東側のために金と武器を援助していた。日本の右翼勢力はムスリムとの交流が強かった。韓国の右翼勢力との関係が途絶えてくるとムスリムとの交流が一時期日本の右翼は盛んに。

 ムスリムが日本では30年前と比べたらめちゃくちゃいるし、日本国籍の2世3世がたくさんいる状況の中でコリアンヘイトみたいなことをずっとやっていけるはずがない、と野間さん。2020年代全然わかんないんですが、ムスリムが気になるという話をしたかったんです。

 ハラールを意識したのは千葉の中古車のオークション会場でしたと安田さん。お祈りのプレイルームと食堂が併設されてた。
 イランの人はハラールフード屋さんに1979年の革命前のイランのCDを購入しにきていた。復古主義になったイラン。白人至上主義やヘイトのナショナリズムと、どこかで共振しているのじゃないかと思うと野間さん。冷戦崩壊で民族主義的に染まることの背景にはイランでイスラム革命が起きたことと関係しているのではないか。アイデンティティ・ポリティクスなんです。アメリカに毒されたものではなく。タリバンも。ISもその延長でもっと極端。70年代の終わりくらいにイスラムの中で起きたものが冷戦の崩壊と共にヨーロッパのナショナリズムとかにも影響しているなと。ヨーロッパのテロリストもどっちにいく可能性もあったのじゃないかと。
 日本はすごい他人事感だけどイラン系日本人は今いっぱいいる。

 日本とイランは深い結びつきがある、と安田さん。かつてビザなしで自由に行き来ができた。90年代の外国人労働者というとイラン人が多かった。

 イラン人が来過ぎたために日本は相互ビザ免除をやめた、と野間さん。
 代々木公園でイラン人と日本人の大乱闘があって、そこに瀬戸弘幸が嫌なら出て行けとステッカーを貼った。
 入管でひどいことが起き始めたのが90年代前半。日本はいろんなガバナンスが崩壊していて、ゴーンも逃げて当然ちゃうのって。

 ゴーンの司法制度について言ってることは正しい、と安田さん。

 工作がへたくそって最近思う、と野間さん。モリカケも。検察もゴーンさんの奥さんに逮捕状。感情的で全部が幼稚。

 日本の司法制度ってきちんと考えた方がいい、と安田さん。逮捕されたらどうなってるのか社会で知られてないし、容疑者イコール犯人みたいなのは違う。日本は刑事司法においては先進国の中では最低の国、と言います。逮捕されたら48時間以内に警察は取調べ。検察に送り24時間以内に起訴か不起訴かを終えなくてはいけない。それは最大20日間延長できるが再逮捕再逮捕でかなり長期の拘留ができてしまう。こんな制度は先進国で日本だけ。弁護士の立会がない取調べも保障されていない。可視化されていない。ゴーンの言うとおりです。

 ベトナム人の研修生の扱いに似てる。お金があるというのもあるけどレバノン政府がうまいことやってるし、日本の空港も見逃してると思う、と野間さん。ガバナンスがいい加減な国になったとすごく思う。
 ゴーンの「S」を発音しないので調べました、と野間さん。フランス人だけれどレバノンの有名な姓で「ゴスン」さんです。20年代の初めからすげえ茶番、と野間さん。ここまで日本てめちゃくちゃになっていくのかな、と。オリンピックでも。いろんな不正、汚職やってすぐばれることと通底してる、目先のことしか考えていない、昔はもっとちゃんとできてたような気がすると言います。

 日本はみんな外国人に任せている。日本はモノづくりを放棄している。安価な労働力である外国人に任せて、差別することによって優越性をアピールするようなダメな国に、社会になりつつある、と安田さんが言います。

 日本のモノづくりのイメージは60年代以降に出来たものでは、と野間さん。全部ストーリー、自己暗示。本来江戸時代から突出して丁寧なモノづくりの国ではなかったと思う。そういう自己イメージが今破たんしているのでは。心が傲慢、良い製品も作れないしアイディアも先端的なことはできない。
 20年代日本人は幻想から離れて自分たちはたいしたことないと思わないとだめなのでは。傲慢になりすぎている。70年代誰も日本はすごい国と思ってない。日本人自体も自信がない。傲慢になるとダメになるもので、20年代は終わりの始まりというか、自己に向き合うべき時代になるのでは。

 破壊から再生? いや革命、レボリューションです、と安田さん。
 革命、改革というのを本当の意味でちゃんとやらなければいけない、若い人がんばれよ、そんな感じですと野間さんが言います。
(まとめ・文責:のりこえねっと事務局)

6.編集後記

 今冬はとても暖かい気がします。雨も多いです。冬のスポーツをやる方は物足りない冬になってしまったのでは? また豪雪地帯の方には申し訳ないのですが、ひと冬に1回くらいは雪に覆われた銀世界を見てみたい気がします。今年はまだです!のりこえの YouTube 新企画ご期待ください。NO HATE TV はもちろん続きますからご心配なく。(お)
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のりこえねっと通信225号 2020年1月22日発行

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