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■■■■■ -ヘイトスピーチとレイシズムを乗り越える国際ネットワーク-
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■■■ のりこえねっと通信0237号2020年7月8日発行
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賛同者の皆さま のりこえねっと通信をお読みの皆さま
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首都東京都知事が300万余票を獲得して小池百合子氏が当選。
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都知事時代の石原慎太郎氏すら出した関東大震災時に虐殺された朝鮮人の慰霊祭に対する追悼文を、今年も出さないつもりらしい小池氏に、強く訴えかけていきましょう。
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本日8日20時からNO HATE TV第90回「リベラル・レイシズム」を放送いたします。
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小池百合子圧勝、維新候補善戦、桜井誠得票増という都知事選の結果を受けて、レイシズムとリベラリズムの親和性について考えます。
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- 7月8日のりこえねっとTV NO HATE TVのお知らせ
- 反レイシズム情報
- ヘイト街宣・デモ警報
- 新聞・雑誌記事・Webより
- 6月24日放送 のりこえねっとTV NO HATE TV 第89回ダイジェスト
- 7月1日放送 のりこえねっとTV 荒野に種をまく 第6回ダイジェスト
- 編集後記
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1.のりこえねっとTV NO HATE TV 第90回 「リベラル・レイシズム」
小池百合子圧勝、維新候補善戦、桜井誠得票増という都知事選の結果を受けて、レイシズムとリベラリズムの親和性について考えます。これら候補は、極右であると同時にリベラルであり、それこそが現代のレイシズムを特徴づけているのではないか?という観点から、ここ数年の選挙における極右の動向を概観します。
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ジャーナリスト。労働問題、差別、人権問題などを中心に取材・執筆活動を続けている。「ルポ 差別と貧困の外国人労働者」(光文社)「ネットと愛国」(講談社)「ヘイトスピーチ」(文藝春秋)、「沖縄の新聞は本当に『偏向』しているのか」(朝日新聞出版)、「『右翼』の戦後史」 (講談社)、「団地と移民」(KADOKAWA)など。
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C.R.A.C.メンバー。著書に『「在日特権」の虚構』『実録・レイシストしばき隊』(河出書房新社) など。
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2.反レイシズム情報
★集会・デモ・セミナー・上映会などのお知らせを掲載します。
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1)ロックを武器に人種差別と闘った英国の若者たち-“ロック・アゲインスト・レイシズム” を追ったドキュメンタリー「白い暴動」
★2019年ロンドン映画祭 最優秀ドキュメンタリー賞
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1970年代後半のイギリスで、音楽を通して人種差別撤廃を主張し続けた若者たちによるムーブメント「ロック・アゲインスト・レイシズム」に迫ったドキュメンタリー。
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2)<要申込み>(7/10中)YouTube配信(24時間限定) 「幼保・高校無償化除外からみえる日本の排外主義」
3)<要申込み>(7/17中)YouTube配信(24時間限定) 「韓国映画の歴史と現在~日本との関係~」
4)関西生コン労組への弾圧を許さないドキュメンタリー映画 「『棘』-ひとの痛みは己の痛み。武建一」江古田上映会
日時:7月23日(木・休)
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16:30~ 上映② 会場:ギャラリー古藤 (西武池袋線:江古田駅南口徒歩5分 練馬区栄町9-10 電話:03-3948-5328) 上映協力金1000円 ※コロナ感染対策のため、上映①②とも、座席25席定員・入れ替え制とします。 (上映①と②の間の杉浦監督トークは30席程度) ※予約優先とします。下記にご連絡下さい。 主催:「棘」上映江古田実行委員会 TEL:03-6914-0487 Email:tokyohokubu-union@yahoo.co.jp 東京都豊島区西池袋5-13-10 ハイマート西池袋603号(東京北部ユニオン) 詳しくは→http://daikoushintokyohu.blog.jp/archives/23421343.html
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3.ヘイト街宣・デモ警報
★★ カウンター行動(抗議行動)される際は十分お気をつけ下さい。★★
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★★ 経験が少ない方は、複数での参加をお勧めします。 ★★
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1)名古屋駅東口交番前 頑張れ日本の吉田街宣
2)日の丸街宣倶楽部 街頭演説会
3)市ヶ谷駅前・朝鮮総連前 佐藤悟志街宣
場所:駅頭街宣13:00~13:40 市ヶ谷駅前交番付近
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抗議街宣14:00~15:00 朝鮮総連中央本部前
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主催:朝鮮総連本部をさら地にする会(代表代行・佐藤悟志)
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もし街中で見かけたら、このタグをつけてツイートしてください。以下の情報があるとわかりやすいです。
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- 場所(駅・交差点名、目印の建物など)
- 人数がわかる全景写真
- 団体がわかる幟や弾幕の写真
- 弁士の顔写真
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4.新聞・雑誌記事・Webより
1)米FB、憎悪に満ちた広告禁止へ ユニリーバもボイコットに参加
米フェイスブックは26日、憎悪に満ちた内容の広告掲載を禁止するなど、コンテンツに関するポリシーを厳格化すると発表した。
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2)ヘイト罰則、来月全面施行 川崎市がポスターやHPで発信
ヘイトスピーチへの罰則適用が始まる7月1日に全面施行を迎える「川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例」のPRに市が力を入れている。
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3)元日本第一党幹部 7月ヘイト街宣計画 川崎市条例敵対視
ヘイトスピーチを犯罪として処罰する「川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例」が7月1日に全面施行される同市で、同12日にヘイト街宣が計画されていることが分かった。
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4)男女平等条例案を否決 宜野湾市議会 与党、性の多様性をめぐる表現に反対
人権侵害の禁止をうたう項目では、DV(ドメスティック・バイオレンス)や性暴力と合わせ、ヘイトスピーチも盛り込んでいた。
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5)差別禁止法の立法始動…人権委、14年ぶりに制定求める
国家人権委員会(人権委)は国会に対し「平等および差別禁止に関する法律(平等法)」を制定することを求める意見を表明した。
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6)職場で差別文書、賠償命令 在日韓国人女性が勝訴
パート社員として勤務する大阪府岸和田市の東証1部上場の不動産会社「フジ住宅」で、ヘイトスピーチに当たる民族差別的な文書を配布され精神的苦痛を受けたとして、在日韓国人の50代女性が同社と男性会長(74)に計3300万円を求めた訴訟の判決で、大阪地裁堺支部(中垣内健治裁判長)は2日、計110万円の支払いを命じた。
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7)【特別寄稿】都知事選討論会でヘイトスピーチ禁止条例制定を明確に拒否した小池百合子都知事! ノンフィクション作家加藤直樹氏が暴く草の根右翼ネットワークと小池都知事ら極右政治家による歴史修正の策動! 2020.7.3
7月5日に投開票を迎える東京都知事選。新型コロナウイルス感染症対策や東京五輪の開催問題に注目が集まるが、ヘイトスピーチ対策でも各候補者の主張は異なる。
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8)ヘイトスピーチの公益目的「認定されるべきでない」 公判向け、3400人分署名を大阪高検に提出 朝鮮学校側弁護団
京都朝鮮第一初級学校(京都市南区、閉校)への差別的発言で名誉毀損[きそん]罪に問われ、一審京都地裁で罰金刑とされた「在日特権を許さない市民の会(在特会)」元幹部の被告の男(51)の控訴審を前に、同校を運営していた学校法人京都朝鮮学園の弁護団が3日、一審判決に抗議する弁護士有志の声明文と、市民ら約3400人分の署名を大阪高検に提出した。
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9)ネット差別で初の審査会を開催 川崎市、ヘイト投稿を審議
インターネット上のヘイトスピーチ対策に取り組む川崎市は2日、被害者の救済に当たって有識者の意見を聴く「差別防止対策等審査会」を初めて開いた。
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5.6月10日放送 NO HATE TV第89回「アメリカ-400年の負の遺産」
川崎
野間:川崎市のふれあい館を脅迫していた市の元職員が逮捕された。26年前に同僚に差別発言して怒られて謝罪していた。
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安田:民族名を名乗ろうとした在日二世の職員に対して韓国へ帰れと問題発言をした。形式的な謝罪のあと何事もなかったかのように過ごしていた。差別意識が変わっていなかったのが驚き。
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野間:90年代は反省したかもしれないが、時代が変わって、あれは正しかったと思ったんじゃないかと。定年になってネットを見たと思う。
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安田:差別主義に仕立て上げる大仕掛けがこの社会にある。
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安田:差別があることを数値で突き付けられた。「外国人であることを理由に入居を断られた」人は26.1%。
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野間:「外国人であることを理由に脅迫や差別的な暴言を受ける不安」18%、「住んでいる地域の治安についての不安」17.7%、暴力を振るわれる不安・危険7.1%。前回調査の5年前より数字が増えている。
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退去強制拒否罪?
安田:出入国在留管理庁の専門部会が出した提言中に、難民申請中の人も強制送還を可能にし、国外退去を拒否した場合、新たな罰則を科すべきというもの。
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野間:移住連が声明を出している。一般の人からしたら、不法滞在は違法なんだから罰則がなかったのがおかしいという感覚では?
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安田:母国で迫害されるおそれがあって難民申請している。だから審査結果が出るまで送還は禁じられている。専門部会はこの規定が乱用されているとしている。が、法務大臣が難民認定を却下し、裁判によって難民として認められた人もいる。命に係わる問題なのに強制送還を合法化し、刑罰を科すのは難民条約に違反している。
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入管の長期収容者のナイジェリア人がハンガーストライキを起こして死亡したことをきっかけに、長期収容を見直さなくてはならないというところから議論が始まった。制度的な改善を期待した人もいたが、蓋を開けたら長期収容はよくないから帰国させなくては、となった。
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送還拒否で刑事罰化することにより、支援者や弁護士は共犯とされかねない。安価な労働力として期限付きでは受け入れるが、定住・永住をのぞむ外国人には罰則をもうけるという危険な流れ。入管の長期収容は裁判所が関与していない。異議申し立てもできない。入管の裁量にゆだねられている。在留特別許可の認定は減っている。ガイドラインをもうけながらことごとく無視。
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4コママンガ 教えて!もやウィン
野間:もやウィンはうそばかり言う。ダーウィンの進化論は「唯一生き残ることができるのは変化できる者である。」だから憲法改正をすべきだと。進化論は、変化できる者ではなくて、多様性のある種が次の世代に生き残るというもの。経営者や起業家セミナーとかで変化という話が出ている気がする。
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元ネタが小泉内閣総理大臣の所信表明演説。その元ネタが90年代くらいの経営哲学の講演とかで出た話。変化が必要という時に進化論を持ち出す。生物進化論と社会思想は厳しく区別すべきだろう、と専門家(松永俊男)は言っている。優生思想のおおもとはフランシス・ゴルトンで、ナチスのT4作戦につながる。
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安田:進化論を引用するのはファシストばかり。適者生存の思想に結びつけるのがファシストの常套句。進化論を合理化していくのがヒトラーであり、歴代のファシストやレイシストは誤用しながら補強していく回路が出来上がっている。
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野間:起業家セミナーのちゃちさが自民党の体質そのまま。反知性主義の一種。もやウィンはデマ吐きのバカ。
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Black Lives Matterと日本
野間:今回、規模が大きい。日本でも大きなデモがあった。日本人としてどう向き合うのか。Korean Lives Matterというハッシュタグがあり、いろいろ議論されている。神原弁護士は、在日のことを言わないのにBlack Lives Matterと言うのは欺瞞であるとtweetしてた。
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日本でのデモを批判するつもりはないし、コミットしていくべきと思うが、国内の差別と同じような反応をしている。代表的なのが、日本には黒人差別はないというもの。対岸の火事という考えで参加するのは問題。オコエ瑠偉さんは淡々と自分の体験を語り話題になった。八村塁さんはデモに参加。大坂なおみさんがBlack Lives Matterに触れたら、日本人からのバックラッシュがあった。
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安田:ブラックミュージックを聴いてるから差別がないとか主張することがおかしい。
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野間:大坂なおみさんは日本人か黒人か、という踏み絵的なことを言う人もいる。左翼になったのかという人も。
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Black Lives MatterとK-POP
野間:オクラホマ州でトランプが集会をしたら会場がガラガラで機嫌を損ねて帰っちゃった。これはK—POPファンとTikTokユーザーがチケットを買い占めて行かなかったということらしい。なんで社会運動にコミットできるのかな。
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安田:社会に対する帰属意識。韓国は社会変革があり、自分たちで民主化を勝ち取った経緯があり、社会に参画して変えていくという実感を手にし、それが社会に生きる義務と思っている。日本は、主体的な変革の歴史に乏しいのと社会参画の意識がない。我々が気にしているのは世間。
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野間:K-POPはブラックミュージックの影響を受けている。K-POPがリベラルに受容されているのに対し、J-POPは変態的なものとして人気があるという側面もあるかもしれない。
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安田:日本は社会の同調圧力が強い。日本の芸能人の社会的発言は攻撃される。感染者や犯罪加害者の家族、国籍の違う人の主張がバッシングされる国。
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野間:トランプがタルサで最初に集会をしたのは嫌がらせ。1921年に人種虐殺があった。
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安田:19歳の黒人少年がエレベーターで性暴力をはたらいたとして警察に拘束され、彼を引き渡せと白人が裁判所におしかけて騒ぎになった。
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野間:1923年の関東大震災と似ているのは新聞が煽っていること。タルサでは1996年に調査委員会ができ2000年こえてから恥ずべき事件として認知された。タルサは裕福な黒人たちがいて、そのねたみも背景にあったようだ。リトルアフリカというのは蔑称で、その町が燃えているのが絵葉書になっている。
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アメリカ 400年の負の遺産
安田:1977年に豊浦志朗という作家が『叛アメリカ史』という本を出している。のちに改名し船戸与一と名乗る。冒頭で取り上げられているのがネイティブアメリカンの虐殺。入力者が西へ侵略し、行く手を阻むのがネイティブアメリカン。先住民虐殺の歴史がアメリカ史だと書いている。ネイティブアメリカンは砂漠の隔離エリアに押し込まれた。1973年、先住民が再び立ち上がっている。度重なる暴力にスー族が反乱を起こす。白人が経営する交易所を占拠した71日目に連邦軍が出動して鎮圧する。アメリカ史というときは白人の側から描かれた正史。叛史がいまアメリカ社会のなかで噴出している。
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野間:今回のBlack Lives matterでは銅像が倒されている。これは欧米から始まり、ベルギーのアントワープではアフリカ人を搾取したレオポルド2世像に赤いペンキがかけられた。UKブリストルでは奴隷商人エドワード・コルストンの銅像が引き下ろされる。ブリストルは奴隷貿易の町で、この人の名を冠したホールなどがあるが、最近、名前を取るようになっていた。ジョージ・フロイドさんは5月末に殺された。1965年6月19日は奴隷解放の日。運動の広がりに記念日が重なる。労働力不足を補うため英政府の招きで渡英した移民「ウィンドラッシュ世代」も1948年6月が最初。書類などをきちんとしてなかったので、誤って強制送還や拘留されたりした。6月9日、米バージニア州でコロンブス像が倒された。コロンブス・デーとはコロンブスが新大陸に到達した日で、ネイティブアメリカンがこの日にペンキかけたりしてた。コロンブスの銅像倒しが続き、南軍旗の使用を海軍、陸軍がやめた。6月18日ニュージーランドのジョージ・ブレイ元首相の銅像にペンキがかけられる。6月21日アメリカ・ニューヨークで黒人とネイティブアメリカンを従えたルーズベルトの像が自然史博物館から撤去される。今までと運動のスケールが違う。コロンブスは最低クズ野郎。スペインの王様に頼んで航海し、ジパングという黄金の国を探しに行った。発見した土地の現地の人を奴隷にすることしか考えていない。
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安田:夏目漱石の『満韓ところどころ』が頭に浮かんだ。原住民というだけで見下した判断をし優越的な立場を自覚する植民者の発想。コロンブスから始まるアメリカの歴史はつくられた正史であり征服者の視点しかない。
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野間:500年くらい変わらないまま。最初に発見したものが主権を持てる。競って探検し、動機は黄金や真珠で買うという発想もない。中世ヨーロッパは知的に後退してたんじゃないかと言う人もいる。
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野間:反イスラム主義もこの時代までさかのぼると思う。大航海時代でスペインがインドだと思ったところに入ったのは、十字軍がイスラム教徒をスペインから追い出した直後。異教徒を追い出してアジアをキリスト教化せねばという変な使命感もあり、レコンキスタの影響が大きかった。Black Lives Matterもこの時期にさかのぼるのでは?
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安田:アメリカはアメリゴ・ヴェスブッチという人名にちなんでいる。
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野間:コロンブスの航海に参加し、インディアスをうろうろするうちに大陸だと気づいたのがヴェスブッチ。航海日誌を改ざんして自分が先に発見したことにした。最初の黒人奴隷がアメリカに上陸したのが400年前の1619年。コロンブスや南軍の将軍の像があったヴァージニア植民地に上陸。
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安田:1964年に公民権法が成立する。法的な整備はされても差別はのこり、黒人が殺されることが日常的に起きている。これまでも暴動は起きているが、今回、アメリカの正史にメスを入れている。
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野間:Black Lives Matterとネイティブアメリカンが目的を共有し始めている。それがアメリカを超えて同じテーマで共有されている。米辞書ウェブスターがレイシズムの定義を改訂した。黒人女性が、有色人種に対する抑圧をより明確に盛り込むべきと指摘した。制度的抑圧の正体はコロンブス。当時、聖職者バルトロメ・デ・ラス・カサスはコロンブスの航海に参加。『インディアスの破壊についての簡潔な報告』が有名で、先住民への残虐行為を王様にちくった最初の反レイシスト。アンティファの親玉みたいな人。中国で関東軍がやったのも同じようなことで、Black Lives Matterに対し、アライになっているが、対岸の火事じゃない。制度的抑圧が持ち越されている結果がBlack Lives Matterじゃないのかな。
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安田:歴史は誰のものかと問われている。新天地、新世界、新大陸。そういた文言を「発見」という言葉と結び付けた。もともと先住民の営みがあったが、外からきて新大陸などと言うと正史が生まれる。そこにメスを入れようとする方法がBlack Lives Matterのような運動。
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6.7月1日放送 荒野に種をまく第6回 「歴史塗りかえと脱劇場型社会」
―地方は正常なくらしを取り戻し始めている。自分は、生保申請の同行や解雇など労働問題にかかわっている。お二人の近況は?
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布施:都心も戻ってきている。都知事選はちらしなど行き届かない。現職は街宣してない。争点がたくさんあるので討論会を毎日やってもいいと思う。
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安田:中止になった講演の再調整が始まった。海外取材に行っている人はいない。国境なき医師団は行ってるみたい。都知事選の街宣は聞いたことない。世論調査だと現職の人気が高い。テレビに現職が出ているのは大きいが、他の候補者を知らないから現状でいいというのはよくわからない。東京アラートなんかも印象づくり。
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―「玉城デニー知事から沖縄防衛局へ 辺野古新吉建設問題最新情報」より。ジュゴンや軟弱地盤など基地建設による影響はないと沖縄防衛局。デニー知事は「工事の再開あきりで言っている」と反論。米下院軍事委員会小委員会は辺野古基地建設事業に懸念を示している。
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布施:国防権限法案を決めるなかで辺野古の問題があがった。大浦湾の地盤はやわらかく、地盤改良ができるのかわからない。懸念に対して報告書を出すよう言っている。
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―イージスアショア、秋田・山口県に配備予定が停止となった。
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布施:朝鮮戦争70年を迎えたが、国連軍は解散していない。アメリカは戦争を始める権限を確保している。戦争が起これば日本が協力することも約束している。イージスアショアを断念したのは迎撃が難しいから。では先に攻撃してしまえ、というもの。戦争が起これば日本にも甚大な被害がある。戦争をしないための外交が重要。米朝核問題交渉で、朝鮮戦争を終わらせない方向に日本とボルトン大統領補佐官が動いた。
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布施:中国・アメリカにとっても現状維持が都合いい。
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安田:北朝鮮があることによってアメリカに頼る論法ができていた。
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布施:いつまでもアメリカに寄生していてはだめ。世界の構造は変わったのに、日本はアメリカとの関係を変えようとしない。
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布施:敵基地攻撃能力という言葉が独り歩きしている。攻撃できる装備を日本は持ち始めている。アメリカの情報にもとづき計画に基づいて日本がそのピースになる。現実的評価でなく、アメリカへの協力をいかに強化するかが大切。
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―歴史改ざんと差別扇動とナショナリズムについて、なぜ3点セットなのか。
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布施:物事を単純化する手法は、敵をつくること。それにより支持を集め、結束を固める。自分らにとって不都合な事実は見ないようにし、改ざんしてしまう。それは劇場型政治に共通する。小泉政権は劇場型の始まりで、現都知事はそこに採り入れられた。コロナを敵にして立ち向かう姿を見せることが支持率の高さにつながっているのでは?
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―都知事選挙討論会で、関東大震災時の朝鮮人虐殺犠牲者への追悼文送付をやめたわけを津田大介さんが追及。さらに、集会では騒ぎを起こさない、起こした場合は場所を使わせない、とのこと。
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布施:騒ぎを起こしたのは右翼団体のそよ風なのに、両方使わせないのはおかしい。ダイバーシティを掲げながら朝鮮人や中国人、社会的思想をもった人の虐殺の歴史を薄れさせることとは一致していない。
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安田:都知事は追悼文送付をやめた理由を言っていない。個人の歴史認識以上に社会の流れを読んでやっていると思う。
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布施:側近も戦前回帰的。虐殺があったという主張となかったという人を並列した。それは結局、事実を認めたくないということ。
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―トランプ大統領の人種差別が許容されなくなっている。自分の支持者が「ホワイトパワー」と叫ぶ動画に対し、Twitterで「ありがとう。民主党は落ちぶれる」といったコメントを添えてリツイート。批判の噴出を受け投稿を削除した。
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布施:コロナでは中国を敵にし、黒人殺害のデモに対しアンティファを敵認定したが、失敗。
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安田:日本は状況を変えたがらない、悪法でもルールを守ることを優先してしまう。デモが大きくなると暴動が起こるものだが、日本はそれをおそれて行動するのを嫌う。
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布施:2015年、安保法制反対の時には大勢が集まった。参加すれば意識が変わってくる。日本は個と公共という意識が薄い。コロナにかかるのは自己責任という声が日本は圧倒的に高かった。さかのぼると家父長制にも課題があると思う。女性が政治に増えていかないと。世論調査では夫婦別姓の数字は動いてきている。
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安田:97%、女性側が姓を変えている。自分は3%の側だが面倒くさい。捕まった時に、なぜ2つ姓があるのか、彼らが理解できなかった。本名をぼかしたら在日だと言われた。
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―総務省の調査。新型コロナウイルスに関して15~69歳のネットユーザーの95%が1日1回以上の情報やニュースを見聞し、具体的な17の偽情報を見聞した割合は72%。共有・拡散したのは35.5%。情報はTwitterが57%、ブログやまとめサイトが36.5%。新型コロナはいわば災害。災害時にいかに人がデマに踊らされるかがわかる。
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布施:偽情報にも性質がある。悪質なのは意図的にデマを流すこと。メディアのファクトチェックが必要。
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安田:自分はデマをさんざん流された。Twitterは拡散力がある。デマの方が印象が強い。デマやフェイクはわかりやすく感情を揺さぶる。瞬間的にいいね!やリツイートしてしまう。危機的状況であるほどひっかかりやすい。Twitterを見て流れに乗っかり、メディアがガソリンをぶちこむみたいな状況。
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―春のネトウヨBAN祭りのときに、市民の訴えで企業が広告を取り下げた。やり方を知らせることも大切。今は、生存権、労働権が脅かされている。音声や画像を残し、身を守ることを集めておくことが大切。三重県で失業した男性が福祉事務所をたらいまわしにされた。500円もらって各都市を回り、東京にたどりついた。厚労省では、たらいまわしにするなという事務連絡をしているがやっている。いつケースワーカーの誰と話した、解雇の時こうだったという、状況証拠があるとやりやすい。周りの人が困っていたら伝えてほしい。
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布施:都知事に立候補した宇都宮けんじさんが自己責任から支え合う社会へ、と言っていたが、違和感があった。それらは対立するものではない。人には自由があり、そこに自己責任は伴う。が、自分ではどうしようもないことが起きた時にセーフティネットがあり、政府が保障する。危機のときこそ政治が責任を果たすべき。そのためには投票して意志表示を。
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安田:自粛から自衛へと都知事が言った。つまり自己責任。自分が拘束されて政治問題になったときに、責任は本人にあると政府が言った。政府の取るべき責任は、個人とは別にあるはず。それを煙に巻き続けている。コロナは個人で解決するできることができない。そういう時のためにお金を出し合っているのだから、声を挙げるべき。
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7.編集後記
梅雨前線による大雨で九州地方に大きな被害が出ています。お見舞い申し上げます。
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そして東京での新型コロナ感染者は、本日も100人越え。街には人が溢れています。
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