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■■■■■ -ヘイトスピーチとレイシズムを乗り越える国際ネットワーク-
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■■■ のりこえねっと通信 0247号 2020年12月9日発行
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★配信専用アドレス[mailmag@norikoenet.jp]よりお送りしております。
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賛同者の皆さま のりこえねっと通信をお読みの皆さま
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寒さよりも、毎日の新型コロナの感染者数が気になる師走です。
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さて、 NO HATE TV が本日100回目を迎えます。
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第100回の今日のテーマは「THE BEST OF NO HATE TV 5時間スペシャル」。
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なんと、午後6時から11時まで野間易通さんと安田浩一さんが、今までの放送の名場面(!)を振り返りながら、ゲストに辛淑玉さん・香山リカさんをお迎えしてお送りします。
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- 12月9日のりこえねっとTV NO HATE TV 第100回のお知らせ
- 反レイシズム情報
- ヘイト街宣・デモ警報
- 新聞・雑誌記事・Webより
- 11月25日放送 NO HATE TV 第99回ダイジェスト
- 12月1日放送 荒野に種をまく第11回ダイジェスト
- 編集後記
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1.12月9日放送 のりこえねっとTV NO HATE TV 第100回 「THE BEST OF NO HATE TV 5時間スペシャル」
放送100回を記念して、前身番組「シアター・オブ・ノー・ヘイト」も含め2016年から2020年までの放送からベスト・シーンを5時間スペシャルでお送りします。時間は18:00〜23:00!! ゲスト=辛淑玉、香山リカ。
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2.反レイシズム情報
★集会・デモ・セミナー・上映会などのお知らせを掲載します。
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1)≪要申込≫2020年度龍谷大学安重根東洋平和研究センターシンポジウム「遺骨から日本の植民地支配を考える-アイヌ、琉球、強制動員の遺骨をめぐって-」
日時:12月12日(土)13:30~16:30(13:00開場)
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開催形態:龍谷大学深草キャンパス(22号館-301号室)+zoom
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- 松島泰勝「琉球遺骨返還訴訟の意義-学知の植民地主義を糾す-」
- 殿平善彦(北海道から Zoom 参加)「アイヌ、朝鮮人遺骨問題を結んで」
- 李熙子(韓国から Zoom 参加)「靖国合祀取消と遺骨返還の闘い」
- 具志堅隆松 「遺骨を必ず遺族の元へ -沖縄での遺骨収集活動の経験から」
主催:龍谷大学安重根東洋平和研究センター シンポジウム実行委員会
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2)全争議団闘争勝利!総決起集会 コロナ禍の中、闘い続けた争議・労働運動2021年への提起
- 韓国労働運動映画上映(チョン・ティル烈士50周年ほか)
- 特別報告:全日建運輸連帯労組関西生コン支部、韓国サンケン労組(オンライン)
- 各戦線からの連帯挨拶:労働法連絡会、破防法・組対法に反対する共同行動/医療観察法廃止ネット、差別・排外主義に反対する連絡会/沖縄辺野古実、大軍拡と基地強化にNOアクション/間接強制・損賠攻撃を許さない共同声明運動/南部労組福祉協会、三合労メトロポリタン/九州虹ヶ丘学園労組
- 基調報告・争議団報告
日時:12月12日(土)14:00~17:00(13:30開場)
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会場:としま区民センター7F会議室(702+703)
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主催:争議団連絡会議 千代田区神田神保町1-2-3 錦華堂ビル302
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3)1923年9月 朝鮮人はなぜ殺されたか?~植民地支配と朝鮮人虐殺~
日時:12月12日(土)18:30開場/19:00~21:00
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お話:愼蒼宇(シン チャンウ)(法政大学社会学部教授・歴史学)
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会場:スペースたんぽぽ(千代田区神田三崎町2-6-2ダイナミックビル4階)
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電話:03-3238-9035 FAX:03-3238-0797
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4)≪要申込み≫ 1923関東朝鮮人大虐殺を記憶する行動 連続学習会 第8回「関東大震災 証言からみえてくる東京での朝鮮人虐殺の実態」(会場〔東京・台東区〕& オンライン〔YouTube〕)
日時:12月15日(火)19:30~21:00(予定)(当日18:30まで受付可)
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講師:西崎雅夫さん(一般社団法人ほうせんか・理事)
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*お申込いただいた方には資料とYouTubeアドレスをお送りいたします。
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また、その時間見れなくても、期間限定のアーカイブ(再放送)をお送りいたします。
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YouTubeの限定配信となります。(見逃し配信もあります!)
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1)12月15日(火)19:20頃に専用のYouTubeアドレスをお申し込みのメールに送付します。
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2)12月15日(火)19:30になりましたら、YouTubeで限定配信いたします。
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会場:Readin’ Writin’ BOOK STORE(リーディン・ライティン ブックストア)
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〒111-0042 東京都台東区寿2-4-7 TEL03-6321-7798
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5)≪要申込み≫ ふぇみゼミ 5年企画 <国家の責任とはなにか?-敗戦・解放75年に思考すること> 【第8回】テーマ:「男のヒステリー」とジェンダー・人種・階級(オンライン)
近代の総力戦は、男性の身体及び精神の脆弱性を露呈させ、「男のヒステリー」である戦争神経症が多数出現したという点で、大きなインパクトを持っていた。
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本報告では、日中戦争が全面化した1937年以降、本格的な戦争神経症対策に取り組んだ日本軍を事例に、戦争神経症の医学的解釈に、ジェンダーと人種・階級が複合的に及ぼした影響を考察する。
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<申し込みは、18時までとさせていただきます、18時までに購入の方にzoomアドレス・IDを送ります。>
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3.ヘイト街宣・デモ警報
★★ カウンター行動(抗議行動)される際は十分お気をつけ下さい。★★
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★★ 経験が少ない方は、複数での参加をお勧めします。★★
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1)日本第一党長崎県本部 街宣
日時:12月13日(日) 15:00~17:00(14:45集合)
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集合場所:十八親和銀行佐世保本店前 (佐世保市島瀬町10-12)
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もし街中で見かけたら、このタグをつけてツイートしてください。以下の情報があるとわかりやすいです。
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- 場所(駅・交差点名、目印の建物など)
- 人数がわかる全景写真
- 団体がわかる幟や弾幕の写真
- 弁士の顔写真
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4.新聞・雑誌記事・Webより
1)ヘイトスピーチ罰則求め要望書 相模原
部落解放同盟県連合会は25日、相模原市が制定を検討している人権条例について、ヘイトスピーチに対する罰則を盛り込むよう求める要望書を提出した。
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2)「中国人を襲え」SNSで拡散…アジア人の暴行事件や差別相次ぐ コロナ第2波のフランス
新型コロナウイルス感染者が欧州最多のフランス。第2波による都市封鎖(ロックダウン)が始まった先月末以降、アジア人への差別が目立っている。
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3)ヘイト罰則条例制定に貢献 人権賞に崔江以子さんら 東京弁護士会 /東京
東京弁護士会は30日、人権擁護活動に尽くした個人や団体を表彰する「第35回東京弁護士会人権賞」に、ヘイトスピーチへの反対運動を続け、法制定に貢献した川崎市の在日3世、崔江以子(チェカンイジャ)さん(47)や、上司の不正を内部告発し、勤務先の精密機器メーカー、オリンパスを相手取った訴訟で勝訴した浜田正晴さん(60)らを選んだと発表した。
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4)ナイキCM、「差別」踏み込んだ動画の真意 広報担当者「このフィルムの目的は...」
「在日問題」も扱ったアスリートのCM動画をナイキジャパンがユーチューブ上などに投稿し、様々な声が寄せられている。
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5)ヘイトクライムに抗う ―憎悪のピラミッドを積み重ねないために―
Dialogue for People 12月2日
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11月29日、浅草。差別的な言動を繰り返す十数人の集団が、その何倍もの数の警察官に囲まれながらデモ行進を行った。
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6)ヘイト元市職員に実刑 ふれあい館脅迫、地裁川崎支部
検察側は論告で「特定の外国籍の人々を殺害するとした差別的な脅迫文を2度送っており、悪質性が顕著」と非難。
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7)【ブックハンティング】国連も指摘「日本の入管」外国人拷問の実態 平野雄吾『ルポ入管 絶望の外国人収容施設』(ちくま新書)
国の態度次第では、事実に基づかないマイノリティへの差別や誹謗中傷が横行してしまう。
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8)秋田で投函されたLGBT差別あおるビラ 誇張し偏見 問題の背景は?
性的少数者を支援する団体「性と人権ネットワークESTO」の真木柾鷹代表によると、当事者から寄せられた情報で問題のビラの存在が発覚した。
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9)ネット差別投稿1万1千件 調査は1/4 対応後手 川崎
川崎市の差別禁止条例に基づくインターネットの差別投稿調査を巡り、市の対応がスムーズに進んでいないとする指摘が市議から上がった。
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10)英児童文学作家ロアルド・ダール氏の人種差別発言、遺族が謝罪
イギリスの児童文学作家、故ロアルド・ダール氏(1990年逝去)によるユダヤ人への差別的発言について、ダール氏の遺族が謝罪した。
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5.11月25日放送 NO HATE TV 第99回ダイジェスト
〇安田さん新刊
野間:『大資本はなぜ私たちを恐れるのか』武建一著。
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安田:武さんが自分の生い立ちや一連の事件を綴っている。構成と編集協力、最後の解説をした。
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安田:2ちゃんねるみたい。関西生コンの正式名は全日本建設運輸連帯労働組合。反日ではない。89人の逮捕者が出て、武さんは641日間勾留された。著書では、関生はどんな組織で、なぜ闘っているのか、なぜ逮捕者が出たのか等が述べられている。弾圧の手先となり警察に告訴状を出したのが大阪広域生コンクリート協同組合だが、この組合をつくったのは関生。メーカーやゼネコンの圧力でさまざまな事件が仕掛けられる構図があきらか。僕が最初に出した本が『告発!逮捕劇の深層 生コン 中小企業運動の新たな挑戦』。それもあって今回関わらせてもらった。
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野間:ちゃんと闘っている労働組合が少ない中で、特異な存在。
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安田:今の技能実習生のような労働環境を強いられ、肌で感じた傷みの中から生まれた組合。現場労働者中心で元自衛隊員も多い。左翼的理念から始まっているわけではない。武さん自身は10代で大阪に出て見習いから始め、その中で社会主義を学んだ。関生は労働者だけでなく、業界そのものを強くすることをめざした。メーカーとゼネコンの谷間にある生コン業界として、中小企業がともに利益を得ようという理念でやってきた。が、協同組合は、瀬戸弘幸氏などに金を流したという話もある。
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〇安倍晋三、またデマばらまく
野間:植村隆さんが最高裁で負けたという信じがたいことが起きた。
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安田:捏造記者とされたことに対して、名誉棄損で訴えている。札幌と東京と2つ抱えていて、今回は札幌訴訟で敗訴。最高裁に上訴するが棄却。
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野間:安倍さんが「植村さんの捏造が認められた」と。これは嘘。捏造は一切ない。櫻井よしこさんが、捏造記者という記述に根拠がないことを認めている。が、裁判所は「信じちゃったんだからしょうがないよね~」ということ。
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安田:櫻井さん、ワック、新潮社、ダイヤモンドを訴えた。捏造でないのは自明で、明らかになったのは相手側の捏造。資料を読み込まなかったのか意図的な改ざんか、書かれていないことを捏造とし批判した。櫻井さんは誤りを認めたにもかかわらず、裁判所は真実相当性でもって名誉棄損を認めなかった。
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野間:間違った資料によって間違えた場合、不法行為としないために真実相当性はある。櫻井さんの場合、取材もしていないし、資料があったわけでもない。
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安田:最高裁は政治的な部分もある。世の中の流れの中で、植村さんを叩くことで慰安婦問題を抑えこもうとした動きがあったと思う。
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野間:安倍さんは前科がある。菅直人元首相裁判と同じ。植村さんの東京の裁判も同じ結果になりそうだけど、事実を伝えていくしかない。
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〇ホームレスを殺したのはだれか
野間:昨年の台風のとき、台東区役所がホームレスを避難所から追い出したことを取り上げた。ホームレスや生活保護受給者に対する言葉は、ヘイトスピーチに相当するものもある。
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安田:在日コリアン差別、セカンドレイプする人とプレーヤーは結構かぶっている。
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野間:野宿者支援をしてきて、良い提言をされている駒ケ根市議会議員の池田幸代さんに登場していただく。
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池田:ヘイトクライムと女性差別、野宿者、貧困者、労働組合を叩いているプレーヤーはかぶっているとかねがね思っている。
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野間:11月16日に64歳の女性が46歳の男性に殺された。犯人はコンビニの袋にペットボトルや石を入れてなぐったらしい。痛い思いをすればバス停からいなくなると思ったと言っている。直接殺したのは犯人だが、果たしてこいつだけが殺したのか。NPO法人抱樸の奥田知志さんは「論座」でベンチが問題だと書いていた。一方、朝日記者が「ベンチの手すりに意味があると知らなかった」とツイート。
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安田:仕切りにより寝ころべないようになっているベンチは、非寛容の問題ではなく差別と排除。1991年に都庁が新宿に移転し、動く歩道をつくるためにホームレスを強制撤去した。そこから居心地の悪い環境を都が率先してつくってきた。
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野間:先月ころから都庁敷地に三角コーンが置かれた。もやいとパルシステムが食料を配っていたところに柵をもうけた。自助、公助だけでなく共助まで妨害するのか。
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池田:今の動く歩道のところ(4号街路)にダンボールハウスがあって、棚に番号がふってありそれで人を覚えた。そこを都が根こそぎ排除した。殺人行政。
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野間:動く歩道の前に1996年に突起物が置かれた。この突起物は青島都政のとき。
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安田:1991年に第一次排除があり、96年に本格的な排除闘争があった。僕が池田さんと初めて会ったのはそのとき。
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野間:ベルクの迫川尚子さんの写真集『新宿ダンボール村』は、96年ころからの写真。あきらかに邪魔するためなのに、突起物を都はアートと言っていた。ベルクの伊野さんが撮った96年当時の動画もYouTubeに上がっている。94年にダンボールハウスが撤去されたが戻った。それが96年に再度撤去され、動く歩道をつくりオブジェを設置した。それでホームレスの人びとは広場に移動した。火事でこれもなくなった。
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池田:その後、中央公園に移住し、チロリン村を再建した。そのあと、施策により公的の住宅へ移ったり、生活保護受給者になった人もいる。
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安田:無料低額宿泊所にむりやり押し込んだ。これは今でも行われている貧困ビジネス。
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野間:当時のダンボールハウスのイラストは武盾一郎さん、吉崎タケヲさん、山根康弘さんの合作。アーティストらが支援していた。武さんは突起物に顔を描いて逮捕された。
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池田:そこから柵をつくったり、突起物を置くといったことが増えている。
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野間:渋谷のウェーヴの広場はとがったもので埋め尽くしている。アート作品となっているが、攻撃的な意思を感じる。寝たり物を売ったり飲食するなという注意事項がある。公園のベンチは真ん中に柵をつくるなどして寝ころべないようにしている。四半世紀やってきた結果、通りすがりにホームレスの方をなぐる人がいても不思議ではないと思ってしまう。
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安田:都内の主要の公園のベンチは横になれない。ニューヨークはスプリンクラーを作動し排除が行われた。パリ郊外のホームレスの人がいる地域には、21時以降にアラームが鳴り響き、そこにいられないようにした。世界中の先進国で露骨な仕掛けが繰り広げられている。
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野間:ロンドンはスパイクが埋め込まれていたが、市長が撤去した。カナダではベンチが寝られるようになっている。海外では市民が怒ることもある。前述の朝日の記者が子どものころに排除が始まってるから気づかなかったのだろう。人を助けなくてはならないというアンケートで「はい」という回答は日本がダントツ低い。そこから考えるとホームレスのヘイトクライムは不思議じゃないと思う。ホームレスを殺したのは俺らじゃないかと思うべき。
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安田:カナダではかつては排除がひどかったらしい。市民の声で抗しきれなくなり排除物が撤去された。日本では河川敷でも河川法違反としてダンボールを撤去させた。
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野間:ヘイトスピーチに無関心なのと似ている。池田さんの提言ではっとしたのは、ホームレスの人に話しかけて冷たくされるのは、相手が怖がってるんだと。
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池田:いろんな人がリツイートやコメントをくれた中、声かけは誰にでもできるわけではないと言う人もいる。食べ物なのか、情報なのか、人間関係なのか、家なのか、何に困っているか聞かないとわからない。かつて夜回りしていたとき、おじさんに話しかけたら泣きだした。人から話しかけられたのが3か月ぶりだったと。それを見て話しかけた方がいいんだと思った。ひとまず挨拶から始める。最初は「大丈夫」とか「ほっといてくれ」と言われることも。4号街路を訪ねて、柱の向こうとこちらでは見えない壁があると感じた。20年以上前、山谷は女性支援者が少なかった。女性が話すことで、怖くないと思わせたかった。普段の服で行くようにしたのは、まぎれちゃうと壁の存在に気づいてもらえないから。壁があってもお互いに交流できることを伝えたかった。
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野間:「誰にでもできる野宿者サポート」として、たとえば、カンパしたり炊き出しの手伝いに行ったりすることで、ちょっとでもみんなでやればいいと思う。
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池田:4月に「地域から生活保護を実現する自治体議員ネットワーク『ローカルセーフティネットワーク』」を立ち上げ、Facebookでリスト化している。東京、神奈川、埼玉は議員の層が厚いが、地方は孤立している。ネットワークを各地域でつくるのが肝だと思う。人や資源を投入すればまともな生活ができる。生活を保証しているのになぜやらないのか。
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野間:三角コーンは支援団体は都との関係性があるから、関係ない人が怒った方がいい。
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〇ヘイトデモの背後に見え隠れするKCIAの亡霊
野間:先日、朝鮮大学の前でヘイトデモがあった。5月の時の『統一日報』の記事の見出しは「労働党日本支部をいつまで許すか」。これは朝鮮総連のことで、それに抗議する政治活動家の村田春樹さんと佐藤悟志さんを褒めている。村田氏は在特会と一緒にヘイトデモしていた。2013年にしばき隊やプラカ隊が新大久保でカウンターやってたころの『統一日報』は、「民団だからこそできる役割を」だった。13年のカウンター行動は「日本人自身が自らの問題とし捉え行動した瞬間」となっていて、20年は「『差別反対』の名目で、金正恩を批判する演説者を罵倒して集団の異様さが浮き彫りになった。この極左集団は金正恩を庇う、つまり自由民主体制を破壊することに熱心だ」と書いている。
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安田:『統一日報』は在日韓国人を読者と想定して1959年から日本で発行されている新聞。韓国右派を代弁する形で発行されてきたが、13年ごろは反ヘイトの記事を載せている。
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野間:当時の編集局長はいつも取材に来ていた。民団青年会と東京大行進の人は一緒にやったりしてた。民団は韓国の国家に追従し、反共産主義、反北朝鮮・総連解体、朝鮮学校廃止を主張していた。が、13年当時は言わなくなった。東京大行進のとき朝鮮学校無償化をスローガンにという人もいたが、公式に無償化を掲げると民団の主張と対立するので、デモの中で個々が訴えるのはOKとした。7年経ってバランスが崩れている。現在の主幹は『統一日報』の洪熒さん。同紙のYouTubeチャンネルはぜんぶ洪熒TVになっている。洪熒さんは櫻井よしこさんの番組「言論テレビ」のレギュラーでもある。
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安田:櫻井さんが理事長を務める国家基本問題研究所の客員研究員もしている。同じ研究員には杉田水脈さんもいる。
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野間:『統一日報』はネトウヨといっていい。民団青年会の人たちはいい人だけど、南北の問題になるとウヨる人も。それはいいとして、村田春樹氏と組んじゃだめ。
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安田:反共の同志だったこともあり、かつて韓国と距離の近い右翼は多かった。1954年にアジア反共連盟ができ、それをもとに民間右翼ができた。韓国の独裁政権と近い距離を持つ人びとで、そのうちの町井久之は反共右翼に資金提供などをして大活躍する。沖縄に日思会(日本民族思想普及会)という団体があるが、辺野古に来て「座り込みしているのは朝鮮人。出ていけ」と街宣していた。日思会は町井氏がつくったもので、東声会の支部として機能。その経緯を知らない今の人が街宣している。全愛会議(日本愛国者団体会議)という右翼の組織も韓国と近かった。ところが今はネトウヨ化して排外主義の運動に手を染めている。なぜ今は親韓派ではないのかと質問したら「韓国が文民政権になったから」と。全斗煥政権までは韓国で一緒に軍事訓練していたが、文民政権になってからパイプがなくなった。市民とのつながりがなかったので、棚上げしていた領土問題や歴史認識の問題をぶり返した。
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野間:昔の街宣車は日韓友好と書いてあった。さて、洪熒さんプロフィールは、陸軍士官学校卒業、国防部・大使館勤務等。昨年できた「大韓民国自由民主主義を守る在日協議会」は日米韓の同盟強化をうたい、洪熒さんが講師の勉強会をしている。ここは『統一日報』と住所・電話番号が同じ。共同代表は韓在銀、金一雄、姜昌萬。韓さんは元民団中央本部団長、姜さんは『統一日報』社長、金さんは元民団栃木団長。在日保守の名手たち。こうした人や団体が櫻井よしこ氏や村田春樹氏をフィーチャーしはじめた。「日韓自由文化連合」も前述のと近い団体。「自由と人権を守る日米韓協議会」はトランプ再選支持で、幸福の科学と一緒にやっている。日本のネトウヨやアメリカのサンクチュアリ教会と我那覇真子さんもトランプ支持の主張をしている。自由と人権を守る日米韓協議会はFacebookに「佐藤悟志 村田春樹 美女軍団」と投稿をしている。「日米同盟強化有志連合」もトランプ支持で安倍政権も全力で応援。ここのFAX連絡先は健康食品会社。「なおやん」が店長。なおやんは、小林直太という人でトランプ応援団。ペンシルバニアにトランプの応援に行っている。
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安田:Qアノンと統一教会とネトウヨが一緒になった感じがにおい立つ。アジア反共連盟ができたときに積極的に動いたのが統一教会。これを母体に69年に「国際勝共連盟」ができる。日本側に立ったのが笹川良一氏と岸信介氏。国家権力とのつながりを強め、反共運動に韓国右翼、統一教会、日本右翼がタッグを組むのが60~80年代。その生き残りがこういうところにいるのかなという風景が透けて見える。
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野間:このような団体が文政権成立以降に一気に出てトランプを応援する。「日米同盟強化有志連合」も2018年9月、十条駅前で総連大会に抗議するデモに参加している。「日韓自由主義連帯」は大韓民国自由民主主義を守る在日協議会に関係している。デモの横断幕に「歴史ふたつ道フォーラム」とある。佐藤悟志氏が太極旗を掲げたのもここの日本支部ができた2年くらい前。ちょっとずつ関連していて東京を中心に林立している。民団と『統一日報』とがっつりかぶっている。それがトランプ再選運動と絡み、日本のネトウヨと呼応し、サンクチュアリ教会とも関係。KCIAとは、韓国の諜報・工作機関/秘密警察。広州事件の映画で拷問しているのがKCIA。金大中を拉致したり、在日コリアンをソウルに留学させ、捕まえて死刑判決にした。13年にしばき隊をつくったとき、アメリカ国籍の在日の人が連絡してきた。赤坂の喫茶店で話してたらスーツの若い男の人がいて、友人だと言う。名刺交換したら在日韓国大使館一等書記官と書いてあった。
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安田:僕も同じところに呼び出された。排外主義についてのレクを受けたいと言われたが、聞かれたのはしばき隊の動向。国家情報院の関係者だと思い、早めに切り上げた。
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野間:その在日の人からのDM送ってきて、李信恵とかぼんちゃんは総連の関係だから付き合わない方がいいと言ってきた。国情院のやつ連れてきやがってと喧嘩になり終わった。国情院は大使館一等書記官などの肩書を持っている。洪熒さんの経歴に戻ると、この人は領事館にもいたことがある。もともと総連も同じ組織で在日朝鮮人連盟から始まっている。民団から韓統連(在日韓国民主統一連合)がわかれて民主化運動を手伝う。金大中を日本で支援していたのが韓統連の人たち。国家反逆で韓国に行けないことが続いてた。
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安田:反共から逸脱できない人がいる。敵を倒すために日本国内の反動勢力である右翼やネトウヨを味方に引きずりこんで邁進している。在日コリアンを支援する側のなかにもいろんな変遷をたどる者がある。植村さんが東京で闘っているのは西岡力さん。西岡さんは現代コリア研究所の冊子『現代コリア』の元編集長。同研究所は、共産党員だった佐藤勝巳さんがつくった組織。昔は日本朝鮮研究所といい、寺尾五郎氏、内海愛子氏、梶村秀樹氏が名を連ねていた。ところが広州事件を機に立ち位置が変わってきて、今世紀に入ってネトウヨ勢力と歩調を合わせるかのような言説を垂れ流している。
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野間:ネトウヨに言いたいのは、君ら大嫌いな韓国にいいように操られてる可能性があるということ。僕は親切だからそれを教えたい。最後に映画の宣伝。『男はその日なぜ大統領を殺したのか 南山の部長たち』。
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野間:反政府運動をする人は南営洞・対共分室で拷問されていた。
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安田:南営という駅の近くにある。窓は細長く小さい。らせん階段は、目隠しで連行し、何階かわからないように収容するため。運がよければ日本語の解説を受けられる。
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6.12月1日放送 荒野に種をまく第11回「排除と分断のディストピア日本のサバイブ法」
池田:ディストピはユートピアの反対語。ディストピア日本の中でどう生きたらいいのか考えたい。中日新聞の記事で、国家公務員試験が36倍で、5634人が受験したとある。コロナ禍で失業対策事業が必要だと思う。
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安田:パスポート問題で言うと、コロナ禍で76か国が日本からの入国を制限している。パスポート申請時に「入国禁止になったことがあるか」というアンケート項目がある。今は76か国が入国禁止となっているから全員が「はい」と答えることになる。禁止が解かれても「はい」にしなくてはならないし、嘘をつけば虚偽申告で犯罪者になる可能性がある。そこから考えると、今後すべての日本人が入国拒否されたという理由で面談審査され、特段の理由がなければ海外へ行けないことになってしまう。
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パスポートがないと海外の銀行に口座がつくれない。商取引もできない。旅券法は昭和26年にできた法律だから、経済活動まで制限されることを想定していない。国内を旅行すればいいという人もいるが、自分にしたら独房が広ければそれでいいのかという話に近い。経験がない人ほど言うことがめちゃくちゃ。
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布施:今日、帰宅途中に医療従事の知り合いに会った。病院の経営悪化で冬のボーナスが出ないとのこと。また、ナイキのCMは素晴らしいと思ったが、マイナスの反応がすごい。あのCMは日本を貶めるといった反応を見たとき、ディストピアを感じた。不買運動の声もあるが、アディダスもナイキを支持しているので、不買運動する人はどこの靴を履くのか。
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池田:日本は世界のスタンダードについていけず取り残されている。
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布施:ホームレスの女性が殴られて亡くなったという事件があった。ベンチが横になれないように仕切りがもうけられている。ベンチそのものが排除している。メインストリームでないものを見えなくしても問題は解決しない。問題はさらに深刻になるだけ。
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〇スラム一掃と「寄せ場」の解体
池田:東京の山谷、横浜の寿、名古屋の笹島、大阪の釜ヶ崎といった寄せ場には、かつては家族持ちの日雇い労働者もいた。1969年2月の衆議院建設委員会の議事録があって、「スラムが社会問題化しつつある。不良住宅を除却して新たな住宅を建設して入居してもらう。将来は一掃する」といった記述がある。
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自分は1993年から山谷に通い始めた。家族持ちは都営住宅に住み、野宿者の女性はほとんどいなかった。日雇い労働者が道路でワンカップを飲むような光景が見られたが、最近は生活保護の高齢者の街になり、簡易宿泊所は外国人向けのゲストハウスになっている。
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〇見過ごせない!貧困の女性化
池田:女性の経済的基盤がぜい弱になっている。内閣府男女共同参画局が研究会をたちあげた。10月の女性自死者が前年同月比8割増。9月段階の女性自死者は無職者が多い。
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先ほどの事件でいうと、居場所がない男性と行き場所のない女性が出会ってしまったと思った。被害者の女性は野宿生活の日が浅く、自分で何とかしようと思ったのだろう。支援団体とつながりがなかったと感じた。
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布施:今回の事件について市民はどんな風に見ているのか。
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池田:自分のFacebookに野宿の女性たちのことを書き、それをtwitterに連動した。野宿者の女性に対してどうしたらいいのかわからなかったから参考になった、といった反応が多かった。135万人くらいが読んでくれたが、いろんな人が自分の思いをのせてくれたのだと思う。時代が変わったと思った。20年前に新宿のホームレスの人たちを訪れていたとき、「お前らがこんなことしているから甘えるんだ」などどなられることもあり、私たちの活動は理解されないと思っていた。
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安田:バブルの記憶がある人は、ホームレスの人たちは働けばいいんだと思っていた。そんな甘い世界じゃないというのを、社会情勢が悪くなって他人事ではなくなったのだと思う。
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布施:理解を示す人が増えた一方で、排除したり攻撃したりする動きもあるのでは? 犯人は場所がないという同じ立場なのになぜ攻撃したのか。
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安田:一線を越えるかどうかは紙一重。自分もやるかもと意識していないと抑制が難しい。差別もそうだけど、自分の中の差別感情を意識していないと、悪意のない差別をしてしまう。
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安田:殺人まで至らなかったケースはものすごい多いのでは。
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布施:豪雨災害のとき、ホームレスの人は避難所に入れてもらえなかったり、公園のベンチは仕切りで寝られないようにするなど、行政や国や権力側の政策も影響していると思う。
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池田:まさに国策。いったん野宿者になると、あらゆる社会生活から排除される。
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〇野宿者女性撲殺事件から見えた排除デザインだらけの都市空間
池田:全国一般東京東部労組の須田光照さんのtwitterより。
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行政が管理している公園だから住民がそれを願い、または許しているのと同然。この仕切りを撤去するためにまず何をすべきかを考えたい
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公園では水道のひねるところがないとか、水を出っぱなしにはできないようにしていたりする。洗濯したり身体を洗ったりできないようにするため。一方で、カナダのベンチはシェルターになる。
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安田:地面に寝ると体力をめちゃめちゃ失う。甘えだとか言うけど大間違い。「排除アート」で検索するといろいろ出てくる。
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池田:フェンスやコーンを置いたりいろんな形で嫌がらせしている。
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布施:住居を提供する政策にお金かけるべきところを、アートにお金をかけてもホームレスの人はいなくなるわけではない。企業の倒産件数が今年はこの30年で一番少ないのに失業率はあがっている、という記事があった。この年末年始は派遣村が必要になる状況になるのではと、つくろい東京ファンドの稲葉剛さんなどが支援方法を考えている。自分たちの活動は政府の公助の変わりではない。本来国がやるべきことをやってるだけ、とも言っている。
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〇国の貧困者叩きに歯止めを
池田:自民党の片山さつき氏らがメディアで芸能人の親族の生活保護制度利用バッシングを取り上げ、スティグマ(恥)の強化をした。生活保護を受けるのは恥ずかしいことなんだというイメージをつくった。生活保護法改悪により、親族への照会が強化された。親族に知られるのが嫌だという人は多い。生活保護法はフルスペックだが、機能を分割して生活困窮者自立支援制度をつくった。弁護士に言わせると「沖合い作戦」だと。窓口で追い返すのは水際作戦、生活保護にたどり着けないようにするのが沖合い作戦。
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高齢者や障がい者、ひとり親は生活保護である程度対応するが、稼働年齢の人だと「働けるから住まいだけなんとかするから頑張って」という形で制度を使ってもらう。まず、フルスペックを使ってもらって、住所を定めたり生活を落ち着けるのが大事だと思う。社会生活を送るうえで困難を抱えている人も多く、そういう人たちにもう少し温かくてもいいのでは。よくここまで生きてきたね、もう一度人生をつくりなおしてみようよ、というのがあったらいいと思う。
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安田:自立支援制度は頑張れと言われる感じがする。頑張れないこともある。
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〇困ったら声をあげ、相談を
池田;NPO法人ホームレス支援全国ネットワークはNPO法人抱樸がやっていて、全国各地の野宿者・生活困窮者をサポートする団体や個人が掲載されたサイトがある。ビッグイシュー基金「路上生活・生活SOSガイド」はいくつかの地域版がある。東京アンブレラ基金は緊急宿泊支援など。
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生活保護問題対策全国会議は、弁護士やケースワーカーなどが定期的に電話相談している。日本労働弁護団もある。個々の労働者が救われていないので、労働組合をつくって解雇撤回や賃下げ撤回を求めてきた。中高年の女性が解雇の対象として狙われる。新型コロナ災害緊急アクションという団体があり、越年支援は人数制限をしてやると思う。もやいなどが年末年始の開庁を申し入れしている。自治体議員もつかってほしい。
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ローカルセーフティネットワークをつくって各地の自治体議員に呼び掛けている。Facebookもつくったので見ていただきたい。長野の一般労働組合が松本市にあるが、伊那谷でも相談があったので自治体議員の先輩たちと支部をつくった。自治体議員はある程度時間がつくれるので団体交渉にずらっと並ぶようにしている。地方だと行政がらみの職場があって、交渉相手として議員は嫌がられる。
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この方法は、全国の自治体議員にお勧めしている。労働審判につながった案件もある。議員は労働者の追体験ができ、地域を変えるモチベーションになる。みんな仕事がしたい。働いて食べていきたい。それを応援したい。
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布施:大企業は内部留保を貯めこんでる。雇用を守ることを責任としてやるべき。
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安田:自分は3年半の間、仕事はできなかったが、飯は食えている。が、ずっと仕事したかった。住める場所と飯さえあればいいという問題ではない。なまけたい人は少ないと思う。雇用を守る一方で、仕事ができない場合でも生きられるようにすべき。社会は、人が一人で生き抜くのが大変だから、みんなで生き抜くためにつくったもの。一人でも多くが生きていられるいう社会が、成功した社会。仕事ができなくなった人が排除されないのが安心な社会。何のためにみんなで生きてるのかを考えればやることは変わってくる。
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布施:柳美里さんの『JR上野駅公園口』が全米図書賞を受賞した。南相馬で取材したとき、農業では食べられず出稼ぎに行っていたが、原発のおかげで地元で働けるようになったので、原発を歓迎したという話があって、この本に感情移入できた。
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福島の浜通りに住んでいた主人公が出稼ぎに行く。家族を失い、上野駅近くのホームレスになる。上野公園では皇室の行事があるとき、山狩りと称してホームレスの人たちが追い出される。しかし、主人公が天皇に思わず手を振ってしまうというシーンがある。
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ホームレスを主人公にしたら日本のイメージが悪くなるというバッシングもある。日本を侮辱された=自分を侮辱された、と国家と自分を同化させる人たちがいる。昭和22年に昭和天皇が広島を巡幸する映像と重なる。原爆で広島の多くの人が死んだのに、天皇を大歓迎で迎える映像をみて国家とは何かと思った。そういう意識がいまだに残っているのでは?
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安田:宗教の場合、神の前ではすべての人間が平等。神の視点を経由して権力者を評価できる。それに対して国家神道は権力者が神となる。トップに天皇を置いて神が決めたことにした。批判すらできない。内閣の多くは日本会議のメンバー。力を行使する側はその方がいい。
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布施:行使されている市民側もその方が安心する。状況が大変になるほど権威に付いた方が心の安定が保てる人も多い。
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安田:「こっち側」を強調するためにそうでない人を排除する。イスラム教は肉を食べるとき、神の定めた方法に従って殺す。それにより殺生は良いことになる。でないと不安だから。
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布施:戦後に気づくべきだった。天皇が手を振ることで、自分たちのことを考えてもらってるような気になる。戦後、国家神道でなくなって、国家の暴力性が見えにくくなった。
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安田:制圧した歴史をいいようにつくった。侵略の歴史も相手国にとってよかったんだと解釈するが、勝手に人の家をリフォームして「やってあげた」というのと同じ。
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布施:昭和天皇とマッカーサーが握手したとき、内側にしてもらえたと思い、アメリカは日本を守ってくれる=私たちを守ってくれる、ということを神話的に信じている人も多い。
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布施:可視化していかないとどんどん見えなくさせられていく。
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池田:ナイキのCMでは、アスリートの女性がKIMという本名を背中に書く。そういうのを一人ひとりが見せていく。その積み上げと思っている。最後にひと言を。
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安田:自分が自分らしくいられるかどうか。そのためには他の人のその人らしくを認めなくてはならない。やりたいことをやれることで予想もしないようなことが起こる。そうではないと社会は発展しない。
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布施:グローバル化してさまざまな場面で人類の生存が脅かされている。日本だけの問題だけではない。安田さんのようなジャーナリストの役割は大きいと思う。
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7.編集後記
2015年の春から開始したNO HATE TV (前身はシアター・オブ・ノー・ヘイト)が放送100回を迎えます。100回と言っても喜ぶべきか悲しむべきか、毎回ヘイトのネタは尽きません。常に新鮮で的確なテーマと掘った情報で「今」を伝えてくれている野間さんと安田さんお二人に感謝!!(お)
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のりこえねっと通信247号 2020年12月9日発行
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